店舗や施設の営業状況やサービス内容が変更となっている場合がありますので、各店舗・施設の最新の公式情報をご確認ください。
「晴れの国」岡山ってどんなところ?
今回は、岡山県で使用されている方言について解説していきます。そもそも岡山県はどんなところなのでしょうか。東は兵庫県、西は広島県に隣接していて、南は瀬戸内海を挟み四国と、北は山陰地方と接し、交通の要衝として栄えました。
岡山は「晴れの国」と表現されます。歴史的建造物が多く、工業地域が発展している一方で果物生産などの農業も盛んに行われていて、様々な文化や産業が積極的に行われている地域です。
日本昔話の定番、「桃太郎」の話の発祥の地としても有名です。岡山といえば桃と連想する方も多いように、「桃太郎」の伝承と合わせ桃が名産になっています。
3つのエリアで分かれた岡山弁
岡山で話される方言は、岡山弁と呼ばれます。一言で岡山弁といっても、地域によって大きく3種類に分類することができます。
岡山の方言である岡山弁の一つ目は、岡山県東南部の「備前弁」です。二つ目は総社市や高梁市などがある西部の「備中弁」、三つ目は津山市等北部で使用される「美作弁」です。
岡山弁が三つに分類されている由来としては、明治以前は岡山県内でそれぞれ三つの国として別々に統治されていたことが挙げられます。
怖いイメージ?岡山の面白い方言をご紹介
中には、岡山で話されている方言を少し怖いな、と感じている方も多いかもしれません。しかし、実際は温かみがあり非常に味わい深い方言です。
今回は、そんな岡山弁の魅力と特徴を、例文を交えながら紹介していきます。中には聞きなれない言い回しや語尾に特徴のある言い回し、面白い表現などが出てきます。岡山に旅行に行った際にはぜひ岡山の方言にチャレンジしてみてください。
以前に比べると、生粋の岡山弁を話す方も減ってきています。若い方々は徐々に標準語に近い話し方をするようになってきたためです。それでもやはり岡山弁は根強く残っています。
岡山の方言の2つの特徴
岡山の方言、岡山弁の特徴について解説していきます。岡山の方言の特徴としては、語尾の変化及び個性的な語尾の言い回しが挙げられます。
イントネーション及びアクセントは、基本的には関東の標準語と差はありません。一部京阪神の雰囲気でアクセントを行なう言葉もあります。
以下、語尾の変化と「~しなさい」の命令語の二つの大きな特徴について解説しますが、これ以外に、「ら」抜き言葉も個性的で面白いです。「見られる」と言う時、岡山の方言では「見れる」と言います。
岡山の方言の特徴1:語尾の連母音が変化する
岡山の方言、岡山弁の特徴の一つ目は、語尾の変化において、連母音が独特な言い回しになることです。連母音とは、母音音節が続く言葉です。具体的には、「行きたい」の語尾にある母音「あい」という発音の部分です。
岡山弁では、連母音が一律で「えー」に変化します。例えば、「行きたい」は「行きてー」、「細い」は「ほせー」となります。例外として、「うい」だけは「いー」となります。「寒い」は「さみー」と変化します。
語尾が「れば」は「りゃー」と省略される
岡山の方言において、語尾の変化に関しては、他にもあります。語尾が「れば」という言い回しは、「りゃー」と言って省略のような形になります。
例えば、「座れば」は「すわりゃー」となり、「聞けば」は「ききゃー」などと変化します。初めて聞くとびっくりするかもしれませんが、味わいがありとても面白い変化です。
岡山の方言の特徴2:「~しなさい」は地域で異なる
岡山の方言、岡山弁の特徴の二つ目は、「~しなさい」という意味の言葉です。これは地域によって異なり、様々な変化があります。例えば、ある地域では「しなさい」は「~しー」と表現されます。
一方で他の地域の方言では、「しなせー」あるいは「しんせー」となります。驚きなのは「しねー」という言い回しです。別に死ぬように指示しているわけではないのですが、知らないと驚いてしまうかもしれません。
岡山の代表的な方言・面白い方言9選
続いて、岡山の方言である岡山弁の代表的な言い回しや、面白い方言を紹介していきます。初めて聞くと驚いてしまうような方言もありますが、とても奥行きがあり、味わい深い方言として親しまれています。
標準語で使用されている単語でも、岡山弁では全く違う意味で使用されているものも中にはあり、慣れるまで難しいと感じる方も多いかもしれません。
ここでは、代表的な岡山の方言に加え、個性的で面白い方言を個別に9つ紹介します。岡山を観光などで訪れる際にはぜひ活用してみてください。
岡山の代表的な方言:でーれー・ぼっけー・もんげー
岡山の方言の中で、まずは代表的な岡山弁を紹介します。「でーれー・ぼっけー・もんげー」です。岡山の方言では、程度の甚だしさを表現する言葉をたくさん使います。
「でーれー・ぼっけー・もんげー」といった岡山弁の代表的な言い方は、岡山の方と会話をしていると頻繁に利用されていることが分かります。
「でーれー・ぼっけー・もんげー」はいずれも「とても」とか「すごく」という意味です。通常の場合は「でーれー」、もっと強調したい場合は「ぼっけー」、さらに強調を強めたい場合は「もんげー」を使います。
岡山の方言1:「もげる」
面白い岡山の方言の一つ目は、「もげる」です。「もげる」には、「音程が外れる」という意味があります。「もげる」は、標準語では「くっついていたものが取れる」といった意味があります。
しかし、岡山の方言では「音程が外れる」という意味になります。「さっきの歌は、音程がもげていました。」などの例文が挙げられます。これは意味を知らないと理解することは難しいです。
岡山の方言2:「ちばける」
面白い岡山の方言の二つ目は、「ちばける」です。「ちばける」は標準語では「ふざける」という意味になります。
「あの子は普段からよくちばける動きをして、とても面白いです。」と、相手を叱る意味で使用することもありますが、文体の印象としてはどちらかといえば悪い意味ではなく肯定的なニュアンスを表現することが多いです。
ふざけていることを注意するというよりは、子供がわざとふざけて遊んでいる様子を見守っているような温かい感じのニュアンスで利用される方が多いです。
岡山の方言3:「なんしょん」
面白い岡山の方言の三つ目は、「なんしょん」です。「なんしょん」は、標準語では「何をしているの」という言い方になります。
お年寄りの方々では、「なんしょんならー」という人もいます。イントネーションとしては、最初の「な」に一番アクセントをつけると地元の方々が発する「なんしょん」になります。
岡山の方言4:「いぬる」
面白い岡山の方言の四つ目は、「いぬる」です。「いぬる」を標準語で言うと「帰る」という意味になります。
「遅くなったしそろそろいぬるか」などのような例文が挙げられます。同じ岡山弁の中でも「いぬる」と同じ意味で「けーる」という言い回しもあります。地域によって特色があるのも岡山弁の面白いところです。
岡山の方言5:「めぐ」
面白い岡山の方言の五つ目は、「めぐ」です。「めぐ」を標準語で表すと「壊す」という意味になります。「めげる」といって「壊れる」という言い方もよく聞かれます。
「そんな乱暴に使っとったら、めげてしまうわ」といった使い方がされます。慣れるまで意味が分かりにくいですが、理解するととても親しみ深く感じられます。
「壊す」あるいは「壊れる」という意味で「めぐ」や「めげる」をつかう方言は岡山弁以外にもあります。関西圏では比較的広く利用されています。
他にも岡山弁だけでなくほかの地方でも利用されている方言がたくさんあります。岡山に関していえば、関西圏だけでなく、東隣の広島など中国地方で利用されている方言と似た表現がされることも少なからずあります。
岡山の方言6:「ふうがわりい」
面白い岡山の方言の六つ目は、「ふうがわりい」です。「ふうがわりい」とは、「みっともない」、あるいは「恥ずかしい」という言い回しになります。
「ふうがわりいから、そんな馬鹿なことはやめなさい」などという例文が挙げられます。「風変り」と聞き間違えてしまいそうですが、「風変り」とはずいぶん意味が違うので気を付けましょう。
岡山の方言7:「そ」
面白い岡山の方言の七つ目は、「そ」です。「そ」とは、標準語で言えば「どうぞ」となります。「そ」と一文字だけで表現される面白い方言です。
岡山弁でも高齢者の方が使用することが多い言い方です。聞きなれないと聞き逃してしまいそうな方言です。非常に個性的で面白いです。
岡山の方言8:「すっぺこっぺ」
面白い岡山の方言の八つ目は、「すっぺこっぺ」です。「すっぺーこっぺー」とも言います。標準語に直すと「つべこべ」という言い方になります。
「ぺ」などのパ行の言葉が入ると途端に田舎の方言という印象が強くなります。岡山で使用される方言の中でもかわいらしい言い方です。
「すっぺこっぺ言わんと、さっさとやりんさいや」などといった言い方が例文として挙げられます。方言らしい方言といった感じがする、温かみのある言い方です。
岡山の方言9:「みてる」
面白い岡山の方言の九つ目は、「みてる」です。「みてる」を標準語で表すと「なくなる」あるいは「尽きる」という言い方になります。
「あらら、いつの間にか醤油がみてしもーた」などと使用されます。「見る」と聞き間違えそうですが、ずいぶんと意味が異なるので難しい方言と言えます。
岡山の方言・面白い名詞4選
続いては、岡山の方言のうち面白い名詞の表現を4つ紹介します。通常では別の意味を持つ名詞でも、岡山では全く別のものを指す言葉として使用されているものがあります。
知らないと想像もつかないものを指す名詞になるので、最初は驚くかもしれませんが、岡山県では年配の方々を中心に一般的に利用されています。
1:「アラスカ」
岡山の方言で、面白い名詞の一つ目は、「アラスカ」です。通常、アラスカとはアメリカの最北端の州のことを指しますが、岡山では「グリーンピース」のことを意味します。
「アラスカ豆」から由来しているといわれます。アラスカ豆はグリーンピースの種類の一つで、アラスカ豆をアラスカと呼ぶようになり、転じてグリーンピース全般を指すようになりました。
アラスカ豆自体はあまり市場に出回っていない種類ですので、一般的に広く販売されているグリーンピースの方をアラスカと指すように、徐々に変遷していったといわれています。
2:「テンパール」
岡山の方言で、面白い名詞の二つ目は、「テンパール」です。「テンパール」という言葉を聞いたことがない方も多いかもしれません。テンパールとは電気設備会社の会社名です。
岡山で使われているブレーカーはテンパール社製のものが多いことから、岡山ではテンパール自体がブレーカーを指す名詞として定着しました。
3:「ソックス」
岡山の方言で、面白い名詞の三つ目は、「ソックス」です。こちらは一般的に使用されているソックスの意味と同じで、靴下のことです。
岡山では、靴下を指す際にあえて英語でソックスという方が多いです。買い物の時や着替えているときなどにあえて英語でソックスと表現します。
4:「すねぼんさん」
岡山の方言で、面白い名詞の四つ目は、「すねぼんさん」です。岡山では、「スネ」というと標準語で言うスネよりも少し上の位置、膝の少し下のあたりを指していました。
「ぼんさん」はお坊さんの派生です。合わせて「すねぼんさん」が「ひざ小僧」という意味で使用されるようになりました。温かみのある言い回しで魅力的です。
岡山の方言・面白い言い回し4選
最後に、岡山の方言で使用される面白い言い回しを4つ紹介します。名詞の時と同様、標準語では一定の意味を持つ言葉でも、岡山では全く違う意味で使用される言い回しもあります。
岡山に旅行に行く前に、少し知っておくだけで方言を楽しみながら旅行することができます。親しみが感じられる言い回しを覚えておきましょう。
1:いんどかれー
岡山の方言で面白い言い回しの例の一つ目は、「いんどかれー」です。標準語でいうところの「インドカレー」とは全く異なる意味を持ちます。
「いぬ」という言葉に「帰る、去る」という意味があります。この命令形で、「帰っておけ」という意味を持つ「いんどけー」という言葉があり、これを丁寧に表現する言い回しが「いんどかれー」になります。
2:すねがわろーて もー あるけんが
岡山の方言で面白い言い回しの例の二つ目は、「すねがわろーてもーあるけんが」です。前述のように、「すね」はひざを指します。「わらう」はふらふらする、という意味になります。
「ひざがふらふらでもう歩けないよ」という意味で使用される言い回しです。知らないと暗号をしゃべっているかと感じるような言い方ですが、実際に聞くととても温かみがある言い回しです。
3:ぼっけーきょうてー
岡山の方言で面白い言い回しの例の三つ目は、「ぼっけーきょうてー」です。「ぼっけー」には「とても、非常に」という意味があります。「きょうてー」には「怖い」という意味があります。
合わせて「ぼっけーきょうてー」で「とても怖い」という意味になります。あまり怖いという感じが伝わってこない、むしろ親しみが感じられる表現です。
4:はよーせられー
岡山の方言で面白い言い回しの例の四つ目は、「はよーせられー」です。これは、「早くしなさい」という意味になります。岡山では「しなさい」の代わりに「しねー」という表現をします。
しかし、「はよーしねー」というと早く死ぬように指示しているように聞こえ、他県の方々から誤解されたという話があります。それで、「しねー」の代わりに「せられー」を使う方が一般的になりました。
このほかにも、面白い岡山弁はまだまだあります。「ちばけるばあしょうたらおえりゃあせんで」という暗号のような言葉は、「ふざけたことばっかりしたらだめですよ」といった意味合いです。
最初に聞いても何を言っているのかさっぱり分かりませんが、意味を理解するととても親しみがわきやすい方言だと気づきます。否定的・あるいは注意をしているような言い方でも温かく聞こえるのは岡山弁特有です。
岡山の方言は面白くて味わい深い
以上、岡山の方言について紹介をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。岡山弁といっても3つの地域によって特徴があること、意外な言い回しや面白い表現があることなどを紹介してきました。
岡山に旅行に行く前に知っておくと、地元の方々とお話するときに楽しく会話することができるかもしれません。ぜひ覚えておいて、楽しい岡山での時間を満喫しましょう。