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沖縄方言(うちなーぐち)はどこで話される言葉?
今回は、沖縄の方言について解説をします。沖縄方言といえば、「うちなーぐち」と言われ、独特なアクセントが特徴のゆったりとした癒される方言で、思わず使いたくなる温かみがあります。
沖縄方言の「うちなーぐち」は、主に沖縄本島の南西部で使われます。北部や他の諸列島では同じ方言でもかなり印象が変わってきます。
同じ日本語とは思えないくらいに違う言葉で、沖縄方言について知識がない方にとっては、日本人でも読解不可能なくらいに違いが感じられます。沖縄と日本列島本土では歴史上の流れが全く異なっていることに由来しています。
沖縄方言の由来となった琉球語・琉球王国
沖縄方言の由来とはどんなものでしょうか。それは、沖縄の名称を付される前の琉球王国にまで遡ります。
琉球王国は、15世紀前半から実に450年ほどに渡って沖縄で存続していた国家でした。17世紀ころ、日本の一藩であった薩摩藩の支配を受けることになります。
支配を受けながらも独立国家の形態を保ちながら独自の文化を継承していきました。当時から利用されていた言葉が、現在の沖縄方言である「うちなーぐち」の由来と言われています。
沖縄方言の特徴を解説
沖縄方言の由来や背景についてご紹介したところで、続いては沖縄方言の特徴を解説していきます。
思わず使いたくなるような魅力を持つ沖縄方言「うちなーぐち」ですが、独特な発音やイントネーションがあります。また、同じ沖縄方言でも地方によってかなり違いがみられることも大きな特徴です。
「あいうえお」は「あいういう」
「あいうえお」を沖縄方言で発音すると「あいういう」となります。これが沖縄方言の基本とされています。通常の日本語とイントネーションや発音がかなり異なる基礎的な部分です。
最近は、根っからの沖縄方言と標準語が少しずつ混ざってきていて、比較的聞き取りやすくなってきていますが、沖縄のご老人の方々と話をすると本格的な沖縄方言が展開されて、理解できなくなることが多いです。
エリアが違うと会話が成り立たないことも
また、同じ沖縄の地域でも場所によって全く違う言葉をしゃべっているのかと感じるくらいに違いが顕著になる点も特徴の一つです。
沖縄本土と、石垣島では全く違う言語が使われていると錯覚するくらいに雰囲気が異なります。さらに、沖縄本島の中でも中南部と北部ではかなりの言葉の差があります。
「うちなーぐち」と「うちなーやまとぐち」の違い
日本の標準語と沖縄方言は、もともとの由来が異なるため、イントネーションや発音に違いがあってもおかしくありませんが、最近は徐々に沖縄方言に標準語が混ざってきており比較的聞き取りやすくなってきています。
標準語と融合してきた沖縄方言を「うちなーやまとぐち」と言います。沖縄と方言の中間に位置することが特徴ですが、徐々に「うちなーやまとぐち」自体が一つの言葉のブランドとしてみなされるようになっています。
旅行中に使いたくなる沖縄方言
続いて、旅行中に思わず使いたくなるような沖縄方言をいくつか解説していきます。標準語にはない柔らかく優しい印象のある沖縄方言は、旅行客にも人気でたくさんの方が使いたくなるとの評価をしています。
普段はあまり沖縄と関わりのない旅行客でも思わず使いたくなる沖縄方言をいくつか紹介します。沖縄に旅行をする際には積極的に使ってみてください。
はいさい・はいたい
沖縄方言で思わず使いたくなる言葉の一つ目は、「はいさい」あるいは「はいたい」です。こんにちは、といった軽めの挨拶をする際に利用します。
「はいさい」が男性用、「はいたい」が女性用として使い分けられています。同じ挨拶表現に「ちゅーうがなびら」というものがありますが、こちらは目上の人に対して丁寧なあいさつをする際に利用します。
んじちゃーびら
沖縄方言で思わず使いたくなる言葉の二つ目は、「んじちゃーびら」です。これは、行ってきますといった意味合いがある言葉です。
少し軽めの雰囲気がある言葉で、「じゃあねー」くらいの挨拶がぴったりくる表現です。実は最近ではあまり使われなくなった表現で、現在では高齢の方々が使用するのを見かけることがある程度です。
くわっちーさびら・くわっちーさびたん
沖縄方言で思わず使いたくなる言葉の三つ目は、「くわっちーさびら・くわっちーさびたん」です。「くわっちーさびら」がいただきます。「くわっちーさびたん」がごちそうさま、という意味になります。
「うちなーやまとぐち」が普及してきている現在においてはあまり聞く機会は多くありませんが、ご高齢の方に「くわっちーさびら」といった方言を使うと喜ばれるかもしれません。
沖縄方言がそのまま名前に
沖縄名物の料理には方言が使われていますが、それがそのまま料理の名前として使用されるようになった事例も多くあります。
「ゴーヤチャンプルー」などは様々な店舗で販売している人気商品ですが、もともとはチャンプルーという言葉にあるごちゃまぜという意味を元にして使われるようになった言葉です。
他にも「にんじんしりしり」という料理もあります。にんじんを薄くスライス状にした料理です。メニューの見た目を表現していたら、いつの間にか呼び名がそのまま料理の名称になるケースがあります。
沖縄方言の「くがにくとぅば(黄金言葉)」
最後に、沖縄方言の「くがにくとぅば」(黄金言葉)について解説します。これは、沖縄で昔から伝承されてきた教えや教訓の事です。
一般的に言われるようなことわざとは少しニュアンスが異なり、より日常的で生活に根差した内容のものが多いです。子供へのしつけであったり、普段の生活における周囲の人との接し方であったりと、生活に直結した内容です。
沖縄方言の温かみのある発音やイントネーションと相まって、説得力がある金言になっています。数ある「くがにくとぅば」から、代表的なものを5つ紹介します。
ぬちどぅたから
沖縄方言の「くがにくとぅば」の一つ目は、「ぬちどぅたから」です。命は何よりも大切な物、という意味を指します。派生して、「命を粗末にするな」というニュアンスも含みます。
沖縄は、戦争など悲しい出来事があった場所です。たくさんの命が失われてきた歴史があることから、この「ぬちどぅたから」という言葉が沖縄で叫ばれているのには非常に重みがあります。
いちゃりば ちょーでー
沖縄方言の「くがにくとぅば」の二つ目は、「いちゃりばちょーでー」です。「一度出会えば兄弟のようなもの」という意味になります。
「いちゃりばちょーでー」は、沖縄の土地柄を良く表現している言葉です。沖縄の人々は人懐っこく気さくな方が今でも多いです。すぐに他人と親しくなり、楽しそうに語る光景が良く見られます。
くとぅば じんじけー
沖縄方言の「くがにくとぅば」の三つ目は、「くとぅばじんじけー」です。「言葉はお金のように大切に使いなさい」という意味になります。
標準語のことわざで「覆水盆に返らず」というものがありますが、「くとぅばじんじけー」は「覆水盆に返らず」と似た意味を持っています。自分の言葉に責任を持つべきであるという意味にも派生できます。
現在は、政治家の不適切発言がよくニュースで取り上げられますが、まさに言葉には気をつけなければいけません。「くとぅばじんじけー」は現在においても非常に重要な金言です。
ちゅい たしき たしき
沖縄方言の「くがにくとぅば」の四つ目は、「ちゅいたしきたしき」です。「一人一人の助け合いが大事です」という意味になります。困っている人がいたら助ける、という基本的な道徳観念です。
今の時代は、高齢所や障害者など生活弱者に対して手を差し伸べる優しさが損なわれているといわれています。「ちゅいたしきたしき」の言葉を思い出し、積極的に他人の手助けができるようになると素敵です。
やーなれー ふかなれー
沖縄方言の「くがにくとぅば」の五つ目は、「やーなれーふかなれー」です。漢字では「家習れー外習れー」と書き、「家でのしつけや態度が、家の外でも自然と出てきてしまう」という意味です。
家でのしつけの重要性を表現した金言です。いくら猫をかぶって繕っても、どうしても自分の性質というのは外から見て分かってしまうものです。常日頃から自宅での態度や行動を気をつけないといけないという教訓を含んでいます。
沖縄方言を使って旅をもっと楽しく!
以上、沖縄方言について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。沖縄方言の由来や、「うちなーやまとぐち」との違い、黄金言葉などについて紹介してきました。
沖縄に旅行に行ったときに地元の方言を使うと、とても楽しい気分になります。沖縄方言は魅力的で温かみのある言葉なので、実際に地元で使ってみて雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。