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観光スポット!徳島県のかずら橋とは?
「かずら橋」とは、一般的な橋とは異なり、蔦(つた)類のみを使って作られた橋のことです。中でも、徳島県三好市西祖谷山(いややま)村にある「祖谷(いや)のかずら橋」は有名な観光スポットで、多くの人が訪れています。
このかずら橋は、「シラクチカズラ」という植物を編み合わせて作られたもので、国指定重要有形民俗文化財に指定されているほか、山梨県大月市の猿橋、山口県岩国市の錦帯橋などに並ぶ「日本三大奇橋」のひとつにも数えられているのです。ここでは、徳島県のかずら橋の魅力を紹介していきます。
かずら橋周辺には、温泉やランチスポットもありますので、ぜひ利用してみましょう。ここではそうしたスポットについても解説しています。
徳島「祖谷のかずら橋」の特徴
日本三大奇橋にも数えられる、蔦で作られた徳島のかずら橋は、実際に渡ってみるとスリル満点のスポットです。そんなかずら橋にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、かずら橋の歴史やその魅力について解説していきます。
祖谷のかずら橋
祖谷のかずら橋は、文献によればかつては7ヶ所、もしくは13ヶ所存在していたそうです。1646年の文献である「阿波国図」によれば7ヶ所、1657年の「阿波国海陸度之の帳の写」によれば13ヶ所とされています。
その起源はさまざまです。空海が祖谷を訪れた際に困っている村人たちのために架けた、かつてこの地に落ち延びていた平家の落人たちが、追手が来ても橋を切り落として逃げられるように蔦で作ったなどと言われています。
かずら橋は、1970年に国鉄が行ったディスカバー・ジャパンキャンペーンで紹介されたことで一気に知名度を上げ、全国に知れ渡りました。そして、現在では年間35万人もの観光客が訪れる人気スポットとなったのです。
国指定重要有形民俗文化財
徳島のかずら橋は、単に人気の観光スポットというだけではありません。このかずら橋は、国指定重要有形民俗文化財として登録されているのです。前述の通り、かつては複数あった祖谷のかずら橋ですが、現在ではこの1ヶ所のみが残されています。
かずら橋は、全長45m・幅2m・水面上14mの橋で、「シラクチカズラ」といいう植物を用いて作られた橋です。人気の観光スポットとなってからは老朽化も激しく、安全のために3年に1回のペースで架替工事が行われています。
また、かつては木材と蔦のみで作られていましたが、大正時代に行われた架替工事の際には一度ワイヤーを使った吊橋に架け替えられました。1982年には再びかずら橋の形で復活しましたが、安全を考慮してワイヤーが用いられており、かずらは装飾に近い形となっています。
日本三奇橋の一つ
徳島のかずら橋は、日本三大奇橋に数えられていることでも知られています。日本三大奇橋として数えられている橋はかずら橋以外にもたくさんあり、「三大」と言っても三つしかないわけではないのです。また、特定の人物や組織によって認定されているわけではありません。代表的な日本三大奇橋には、以下のようなものがあります。
山梨県大月市にある「猿橋」は、橋脚のない構造が特徴的な橋です。この種類の橋は「刎橋(はねばし)」と呼ばれており、同様の構造を持つ橋には、井川刎橋、天竜橋などがあります。
山口県岩国市の「錦帯橋」は、1673年に岩国藩主であった吉川広嘉(きっかわひろよし)によって建造されました。川幅200メートルの錦川に架けられた連続アーチ橋となっています。
祖谷のかずら橋へのアクセス方法
「祖谷のかずら橋」は、徳島県三好市西祖谷山村にあります。関西方面からのアクセスは、徳島自動車道を使うのが便利でしょう。井川池田ICで降りてください。そこから45分ほど走れば、かずら橋観光客用の大きな駐車場が見えてきます。なお、普通自動車の駐車料金は1日510円(税込)となっています。
駐車台数は293台と大きいので、ゴールデンウィークなどの行楽シーズンでなければ満車になってしまう心配はないでしょう。駐車場に車を止めたら、すぐそばにある施設「かずら橋夢舞台」へ向かいます。
かずら橋夢舞台の館内を抜ければ、いよいよかずら橋の入口に続く「祖谷渓大橋」が見えてくるでしょう。この橋を渡れば、かずら橋は目の前です。
徳島「祖谷のかずら橋」の見どころ
観光スポットとして、また国指定重要有形民俗文化財として人気と注目を集めているかずら橋には、さまざまな見どころのある場所です。ここでは、そんなかずら橋の魅力や、かずら橋周辺にある観光スポットについても解説していきます。
長さ45mスリル満点の橋を渡る
徳島のかずら橋は、長さ45m、幅2m、谷からの高さ14mの吊橋です。足元の組み木の隙間からは下を流れる祖谷川がはっきりと見えるため、スリル満点の景色が楽しめるでしょう。前述の通り、安全のためにワイヤーが使用されていますが、一歩ごとにゆらゆらとかなり揺れますので、一歩一歩慎重に進んでいきましょう。
また、かずら橋は一方通行となっているので気をつけてください。小さいお子様は安全のために大人が抱きかかえて渡るようにしましょう。橋を渡っている人たちの列からは、ひっきりなしに歓声や悲鳴が聞こえてきます。下を見れば、組み木の隙間も思っていたより広く、苦手な人は橋を渡らずに引き返してしまうこともあるようです。
しかし、もちろん怖いだけの場所ではありません。橋の中ほどで周りを見渡せば、豊かな緑に囲まれた祖谷の豊かな自然を満喫することができます。
夜はライトアップも!
昼間でも風光明媚で豊かな緑と川の流れを楽しめるかずら橋ですが、夜にはまた違った顔を見せてくれます。毎晩19:00~21:30の間はかずら橋はライトアップされ、幻想的な姿が楽しめるでしょう。
昼間は、橋の上でスリルと風光明媚な祖谷川周辺の風景を楽しめるかずら橋ですが、夜にライトアップされた橋を眺めると、また違う印象があります。ただでさえ秘境感の強いロケーションですが、緑色のライトに浮かび上がるかずら橋の姿は、まるでこの世のものではないかのような雰囲気です。
遠くから眺めるもよし、歩行者用の橋から近づいてみるもよし、昼間とは違う姿をたっぷり堪能できます。なお、ライトアップ中は橋を渡ることはできません。
かずら橋の奥にある「奥祖谷二重かずら橋」
実は、徳島の秘境はかずら橋だけではありません。かずら橋の奥には、さらなる秘境である「奥祖谷二重かずら橋」があるのです。奥祖谷二重かずら橋は、その名の通りふたつのかずら橋の総称で、それぞれ「男橋」「女橋」と名付けられています。
祖谷のかずら橋は、そのアクセスのしやすさから多くの観光客が訪れます。そのため、観光シーズンには橋の前に大量の観光客が列をなしていることも珍しくありません。また、周囲にはお土産屋や温泉街、飲食店などが揃っているため賑やかな反面、「秘境」という言葉のイメージとの違いを感じる人もいるかも知れません。
しかし、「奥祖谷二重かずら橋」は、深い山の中にひっそりと佇むかずら橋ということです。参道自体は舗装されていますが、橋は深い緑の中にあり、より「秘境」のイメージが強い場所だと言えます。
男橋
男橋は、長さ42m、幅2mの橋で、水面からの高さは12mとなっています。見た目としては祖谷のかずら橋を少しサイズダウンした感じです。しかし、橋の上に立ったときのスリルは祖谷のかずら橋と変わりません。
女橋
女橋は、祖谷のかずら橋や男橋に比べると小さな橋です。長さ22m、幅1.2mで、高さは4mとほかのふたつに比べるとかなり低めのかずら橋となっています。そのため、高いところが苦手だという人も女橋ならそれほど怖がらずにかずら橋を楽しめるのではないでしょうか。
琵琶の滝
「琵琶の滝」は、祖谷のかずら橋近くにある滝です。かずら橋からは徒歩1分程度のところにあるので、かずら橋を見に行ったらこちらもぜひ足を運んでみましょう。名前の由来は、かつて祖谷に落ち延びてきた平家の武士たちが、昔の華々しい生活を忍びながら琵琶を弾いていたことにちなみます。
水量もほどほどで、心地よい水の流れる音を聞きながら休んでいると、日々の疲れが癒されるでしょう。また、滝の前の橋を降りていけば河原に出ることもできます。足元に気をつけながら、祖谷川の流れを楽しんでみましょう。
祖谷川の岩場からは、かずら橋を見上げることができるので、撮影スポットとしては絶好のポイントです。滝周辺にもさまざまなお店が軒を連ねているので、見てみるといいでしょう。
徳島「祖谷のかずら橋」付近の温泉
徳島のかずら橋の魅力は、なにも橋だけではありません。かずら橋の周辺にはたくさんの温泉があり、距離もそう遠くないのでアクセスしやすい場所にあります。観光の疲れを癒やすにはもってこいなのです。ここでは、かずら橋周辺の温泉宿についての情報をまとめてみました。
ホテルかずら橋
「ホテルかずら橋」は、大自然の風景を楽しみながら温泉を楽しめるホテルです。かずら橋からはケーブルカーに乗って1分ほどで着けるアクセスの良さが魅力です。また、昔懐かしいボンネットバスでのお出迎えも行っています。
露天風呂は建物3階にあり、緑なす山々を上から見下ろせる「天空の露天風呂」となっています。温泉は男性専用、女性専用、家族風呂、貸し切りの五右衛門風呂など、多彩な温泉を楽しめるスポットです。また、露天風呂にはケーブルカーでアクセスするのですが、そのケーブルカーも山小屋風のデザインとなっており、雰囲気を盛り上げてくれます。
温泉を楽しんだ後は、祖谷の田舎料理を楽しみましょう。祖谷川で取れた新鮮な魚を用いたアユの串焼きやアメゴの刺し身、こんにゃくや豆腐を串に刺して味噌ダレをつけて焼いたでこまわしなど、地元の食材をふんだんに用いた伝統料理が楽しめます。
渓谷の隠れ宿 祖谷美人
「祖谷の隠れ宿 祖谷美人」は、特徴的な茅葺屋根の向こうにある温泉宿です。大浴場がない代わりに、全9室の客室すべてに露天風呂が備えられています。もちろん、すべての客室の露天風呂からは祖谷の絶景を眺めることができます。
ホテル内や温泉はとても静かなので、雑音に悩まされることなく日頃の疲れを癒やすことができます。ゆったり温泉に浸かりながら祖谷の絶景を楽しむことができる窓は、上半分が網戸になっているので、温泉に浸かっているときは山の農道が気になる場合や寒い時期には網戸を閉めることができます。
夕食は掘りごたつ式の食事処で、メニューは祖谷豆腐の小鉢、五種盛りの前八寸、ヤマメの造り、アユの塩焼きなどの、祖谷の豊かな自然の恵みを堪能できるでしょう。また、猪肉をたっぷり使ったぼたん鍋は、調理場を見学することもできます。
徳島「祖谷のかずら橋」付近でランチできる場所
かずら橋の周辺には、たくさんのアクセスしやすいランチスポットがあります。どこも個性的なメニューを楽しみながら、祖谷の自然を堪能できるランチスポットです。ここでは、豊富なランチスポットから3ヶ所をピックアップして紹介していきましょう。
かずら橋夢舞台
かずら橋夢舞台は、かずら橋の駐車場のごく近くにある施設です。この館内を抜けてかずら橋にアクセスすることになりますが、帰りにはぜひ立ち寄ってみましょう。館内はもちろんのこと、館外にもさまざまなお店や屋台が出ており、観光客を飽きさせません。
館内にある物産展では、祖谷地方の特産品をはじめ、さまざまな工芸品や各種のみやげものがあります。もちろんランチも楽しむことができ、館内のお食事どころ「かずら橋亭」では、祖谷そばが名物です。
「かずら橋亭」では、一般的なフードコートのように券売機でチケットを購入する形となっています。ざる蕎麦やかき揚げそばなどメニューも豊富なので、ランチの種類に困ることはないでしょう。
住所 | 徳島県三好市西祖谷山村今久保345-1 |
電話番号 | 0883-87-2200 |
いこい食堂
いこい食堂は、かずら橋を渡ったところにあるランチスポットで、祖谷そばやでこまわしといった祖谷の郷土料理を楽しむことができます。でこまわしは屋外で焼いているので、味だけでなく写真を撮って楽しむこともできるでしょう。
ほかにも、店外でイワナやアユの塩焼きも販売しています。串に刺した魚を炙るという昔ながらのやり方で、食べ歩きもできるスタイルです。祖谷そばは通常のそばと異なりつなぎを使っていないため切れやすく、すするよりはかき込むといった形の食べ方になります。
店は渓谷のすぐそばに建っているのでアクセスしやすく、祖谷の伝統料理のランチを景色とともに楽しめるでしょう。
住所 | 徳島県海部郡牟岐町中村本村152 |
電話番号 | 0884-72-0635 |
そば 祖谷美人
そば祖谷美人は、「渓谷の隠れ宿祖谷美人」に併設されているので、ホテルから直接アクセスできる食事処です。店内では、美しい祖谷の自然を楽しみながら食事ができる人気のランチスポットとなっています。朝8時から営業しているので、祖谷を観光する前の腹ごしらえにも最適のお店と言えるでしょう。
主なメニューは、名前の通りさまざまなそばのほか、そば米やでこまわしなどの郷土料理がセットになった膳もあります。そばはつなぎを使っていないので太く短いのが特徴で、そばの香りを楽しめます。
また、珍しいキジ肉を用いた料理もあるので、食べたことがない人はぜひ一度は食べてみてください。また、通常のものよりもビッグサイズの揚げが入っている「ぼけあげそば」も人気メニューとなっており、ランチを楽しめます。
住所 | 徳島県三好市西祖谷山村善徳253-4 |
電話番号 | 0883-87-2009 |
観光なら徳島県のかずら橋で決まり!
徳島県の秘境として知られている「祖谷のかずら橋」は、日本三大奇橋に数えられている珍しい橋です。蔦を編んで作られたその橋は人気の観光スポットとなっており、年間35万人もの観光客が各地からアクセスしてきます。
かずら橋は国指定重要有形文化財にも指定されており、3年に1回の架替工事が行われている有名スポットです。かずら橋の奥には、さらに「祖谷二重かずら橋」と呼ばれる2ヶ所の橋があり、より秘境感の強いスポットとなっています。
かずら橋の周辺には、「ホテルかずら橋」や「祖谷美人」などの温泉や「かずら橋夢舞台」「いこい食堂」といったランチスポットがあるので、ゆっくり温泉に浸かったり、伝統料理を楽しんだりできるでしょう。