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いちごの旬は春!
子供から大人まで大好きなフルーツ・いちごは、バラ科の多年草の果樹です。真っ赤に色づいたいちごは見た目だけでも食欲がそそられますし、品種によっては高級フルーツとしても有名で、ギフトとしても人気があります。
いちご栽培の歴史は非常に古く、古代ローマにはすでにいちご栽培が行われていました。もともとは野生のいちごを食用いちごとして食べるようになったのがいちご栽培の始まりですが、14世紀を過ぎた頃にはすでに数種類のいちご品種が存在していたといわれています。
日本でも現在はいちご栽培が盛んにおこなわれていますが、本来日本の気候はいちご栽培に適しているとはいえません。いちごは繊細な食材のため、雨が多い日本で栽培すると雨によっていちごの表面が傷ついてしまう可能性が高いのです。
そのため世界に目を向けると栽培歴史の長いいちごですが、日本におけるいちご栽培の歴史は世界レベルと比較すると「浅い」といえます。そんな日本のいちごも、栽培技術の向上や日本の気候に適した品種の改良などにより拡大しました。
さらにいちごのハウス栽培法が確立されたことによって、これまでいちご栽培に適していないといわれた地域でも栽培ができるようになっています。また積極的に品種改良が行われた結果、現在では日本産のいちご品種も非常にバリエーションが豊富です。
そんな日本産のいちごは「旬の時期=冬」というイメージがあります。子供のお弁当にいちごが登場するようになるのも気温が下がる秋・冬時期が多いですし、スーパーの店頭でいちごを見かけるようになるのも冬の時期が多いです。
そのため「いちごの旬=冬」というイメージが強いのですが、いちごが旬を迎える時期は「冬」とは限りません。なぜならいちごにはさまざまな品種があり、品種によって旬の時期が異なるからです。
いちごの旬が冬と思われる理由
日本で栽培されているいちごの旬が「冬」と思われている理由は、いくつかあります。まず国産いちご栽培が盛んになった背景にあるいちご品種「とよのか」の旬が冬~春(5月頃)であったことが、「いちごの旬=冬」といわれる理由に挙げられるでしょう。
今では60種類以上もある日本産いちごですが、そのほとんどが品種改良によって作られたものです。積極的に品種改良が行われるようになったきっかけのいちごが「とよのか」で、とよのかが誕生する以前はわずか2種類のいちごが日本産いちごの代表品種でした。
現在日本産のおすすめいちごとして名前が挙がる品種のルーツをたどっていくと「とよのか」にたどり着くほど、「とよのか」は日本産いちごの原点といえるいちご品種です。
そんな「とよのか」が市場に流通するようになったことで、一般庶民でも食べられるおすすめフルーツとしていちごが台頭してきます。庶民でも気軽に食べられるようになったことによって、日本生まれのケーキ「いちごショートケーキ」が一気にブームとなります。
ショートケーキというレシピは世界各地にありますが、いちごをトッピングしたいちごショートケーキレシピは日本発祥のスイーツレシピです。
しかも驚くことに「とよのか」誕生よりもはるかに早い1922年には、いちごをトッピングした日本版・いちごショートケーキレシピが誕生しています。
ちなみにいちごショートケーキレシピを確立したのは、いちごケーキのバリエーションが豊富な「不二家」で、クリスマス用のケーキとしていちごをトッピングした日本人向けのショートケーキ「いちごショートケーキ」を発売したのが始まりです。
なお冬の風物詩であるクリスマスケーキは国によって特徴がありますが、いちごに生クリームを組み合わせたいちごショートケーキを冬の一大イベント・クリスマスのケーキにしているのは日本以外にはありません。
日本は「縁起」を重視する文化が根付いており、そのなかでも「赤」「白」はおめでたい色として非常に重要視されてきました。そこで生クリームの「白」にいちごの「赤」を組み合わせたいちごショートケーキをクリスマスケーキとして売り出しました。
レシピ誕生当時はいちごショートケーキは非常に高価なスイーツでしたが、おめでたい赤と白を使ったケーキということもあり、日本の冬を代表するスイーツとなります。これが「いちごの旬=冬」といわれるようになった理由の1つです。
クリスマスを祝う習慣がなかった日本ですが、「冬に食べるめでたいケーキ」という点が当時の日本でも話題となり、いちごの出荷時期も冬に集中するようになります。ただ当時は日本で栽培できる主ないちご品種が2種類しかなく、高級フルーツでもありました。
そのため「いちごの旬=冬」というイメージが定着しましたが、一般家庭でも気軽に楽しめるフルーツとしてのイメージを定着するきっかけとなったのが「とよのか」だったわけです。
いちご狩りのシーズン
日本産いちごの旬が「冬」といわれるようになったのはクリスマスケーキがきっかけでしたが、いちごの旬の時期は品種によって違います。
いちごショートケーキも紅白のめでたさが現在でも受け継がれているため、おめでたい行事が集中する春にもいちごを使ったケーキは人気です。または春以外でも誕生日や記念日には、旬のいちごをたっぷりと使ったいちごケーキは人気があります。
とはいえいちごは鮮度にこだわるのがおすすめの食べ方なので、旬のいちごをその場で食べられるいちご狩りは人気です。いちご狩りの時期はいちごの旬と重なるので、一番おいしいいちごを食べるならいちご狩りがおすすめともいえます。
ちなみにいちご狩りの旬は、品種によって違うのをご存じでしょうか?いちごの需要が高まるのは冬なので、日本では冬に旬を迎えるいちご品種が多く改良された経緯がありますが、すべてのいちご品種の旬が冬とは限りません。
またイチゴの栽培地によっても、いちご狩りの旬は変わります。いちご栽培には露地栽培とハウス栽培がありますが、基本的な旬は露地・ハウス栽培ともそれほど大きな違いはありません。
最も早くいちご狩りの旬を迎えるのは九州~東北地方で、1月~3月がいちご狩りの旬です。ハウス栽培もあるので長ければ春でもいちご狩りの旬とする農園もありますが、旬の時期として有名なのは1月~3月です。
なお東北~北陸地方であれば晩春の6月でもいちご狩りの旬なので、少し時期をずらして旬のいちご狩りを楽しみたい場合は東北~北陸地方のいちご狩りを狙うのがおすすめです。
ちなみに東北・北陸地方よりもさらに気温が低い北海道では、いちご狩りの旬は春ではなく「初夏」になります。ちなみに北海道で最もおいしい旬のいちごが食べられるのは6月~7月です。
このようにいちご狩りの旬だけを見ても、栽培地域によって「冬が旬」「春が旬」「夏が旬」とそれぞれ違います。
いちごの品種別の旬
いちごの旬は「冬」とは限りません。たしかに日本で栽培されるいちごは、消費率が高い冬に旬を迎える品種が多いです。とはいえ「おめでたい紅白のケーキ=いちごケーキ」というイメージが日本では定着しています。
ですからおめでたい行事が集中する春も、いちごの旬としておすすめです。なおいちごの旬は品種によって異なるので、品種ごとにおすすめの旬時期が変わります。
あまおう
あまおうは、冬~春にかけて旬を迎えるいちご品種です。温暖な気候でさまざまないちごの産地として有名な福岡、あまおうの主な産地になります。
全国的にも人気が高い品種のため福岡以外でも栽培されていますが、福岡なら早い地域だと11月下旬から収穫が可能です。
全国的にみると収穫のピークは3月なので春が旬ともいえますが、主な産地とされる九州では12月~3月初旬にかけてピークを迎えるので、冬が旬のいちご品種といえます。あまおうは名前からも連想できるように、いちご特有の甘みが強いのが特徴です。
鮮度の良い新鮮なあまおうは、何もつけずに食べても強い甘みが感じられます。「いちご」を連想させる要素をすべてカバーしているのがあまおうといわれるので、大きさ・丸みだけでなく色味の強さやおいしさにも定評がある品種です。
紅ほっぺ
「冬が旬」というイメージが強い苺ですが、紅ほっぺは「春が旬」のおすすめいちご品種です。春が旬の品種ですが、市場に出回り始めるのは12月なので、「紅ほっぺの旬も冬なのでは?」といういう意見もあります。
そんな紅ほっぺですが栽培量が最も多いのは静岡です。静岡における旬は2月~4月となっているため、「春が旬のいちご品種」とされます。
春が旬の紅ほっぺは、豊姫とさちのかを親に持つ食味の良さが魅力のいちご品種です。大きく甘みの強い紅ほっぺは食べ応えが十分にありますし、甘さだけでなく酸味もあるので、甘みと酸味のバランスが良く取れている点が人気となっています。
とちおとめ
とちおとめは、色・ツヤが特徴的ないちご品種「女峰」から品種改良されたいちごです。とちおとめは「冬」が旬のいちご品種で、11月から出荷が始まります。甘みが強く色・ツヤの良いとちおとめは冬ギフトとしても人気が高く、入手が難しいいちご品種としても有名です。
主な産地は栃木で、国内で流通するとちおとめの約8割は栃木県産とちおとめといわれています。東日本エリアでは最も人気が高いいちご品種で、冬のいちごの代表品種といってもよいでしょう。
そんなとちおとめは糖度が高く粒が大きいのも、魅力の1つに挙げられます。表面の色・ツヤが良いことも特徴の1つですが、果肉内部も赤く染まっているのがとちおとめの特徴です。
夏に旬を迎えるおすすめのいちご
冬だけでなく春もさまざまないちご品種が旬を迎えるいちごですが、実は「夏が旬」といういちご品種もあります。夏が旬のいちごはあまり知られてませんが、冬・春が旬のいちごにも負けないみずみずしさと甘さがおすすめです。
サマープリンセス
サマープリンスは、長野で誕生した夏が旬のいちご品種です。長野はいちごの産地として有名ですが、そんな長野産いちごの麗紅に夏芳を交配させて品種改良しました。こうして誕生したのが、夏に旬を迎える珍しいいちご「サマープリンス」です。
暑さが苦手ないちごですが、冬から春にかけて旬を迎えるいちごと変わらない色・ツヤ・光沢があるのがサマープリンスの特徴といえます。
ただしサマープリンスは一般的な国産いちごの中でも特に果肉が柔らかいので、日持ちがしません。そのためスーパーで見かけることはほとんどない、希少価値の高いおすすめいちご品種です。
夏でも収穫できる理由
いちごの旬は冬~春に集中しますが、夏が旬のサマープリンスは冬~春が旬のいちごとは違い「四季なり」と呼ばれる品種に区分されるいちごを使っています。
四季なりをわかりやすく解説すると「一年中実をつけるいちご」です。ただし日本国内で四季なりいちごを栽培するには、栽培環境が重要になります。
もともといちごは暑さに弱いフルーツなので、気温が高い場所では夏が旬の「四季なり」は栽培ができません。そのため夏が旬のサマープリンスは、夏でも気温が低い標高900m地点で栽培されるのが特徴です。
旬に食べたいいちごのおすすめレシピ
日本で栽培されているいちご品種の旬が冬だけではありませんが、鮮度落ちが早いデリケートなフルーツであることは変わりません。そこで旬のいちごをおいしく食べるおすすめレシピをご紹介しましょう。
いちごジャム
旬のいちごのおいしさを長く楽しむのにおすすめなのが「ジャム加工」です。ジャム加工は砂糖の力を使っていちごに含まれる水分を取り除き、長期保存をする伝統的な加工法になります。
いちごの品種によって保存期間も変わりますが、旬のいちご特有の味・風味・ジューシーさを維持するためには、鮮度落ちする前に加工するのがおすすめです。そんないちごの旬のおいしさを長く楽しむためにおすすめしたいレシピが「いちごジャム」です。
品種の特徴を活かして作ればカロリーが高いといわれるいちごジャムも砂糖控えめで作ることができますし、砂糖の種類を変えることによってもいちごジャムのカロリーや味わい方を変えることができます。
いちごのムース
旬のいちごが大量に手に入った場合は、鮮度を落とさないうちに加工するのがおすすめです。いちごジャムは旬のいちごを長期保存するのにおすすめの加工法ですが、手間がかかる上に大量の砂糖を使うので、カロリーが気になる人にはあまりおすすめしません。
その点いちごムースは旬のいちごの風味や香りをまるごと楽しめるおすすめレシピですし、たっぷりの旬いちごに生クリームとゼラチンを加えて冷やすだけで作れるので、ジャム作りよりも簡単に作れるおすすめレシピです。
いちごを旬の時期においしく食べよう!
品種が違うと旬も変わるいちごは、冬だけでなく春や夏が旬のおすすめ品種があります。どのいちご品種も旬に食べるのがおすすめですので、いちごを食べたくなったタイミングに旬を迎えるいちご品種を選ぶのがおすすめです。
※ご紹介した商品やサービスは地域や店舗、季節、販売期間等によって取り扱いがない場合や、価格が異なることがあります。