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知っておきたい!簡単でおしゃれな「洋梨」の切り方
ユニークな形と香りが特徴的な洋梨は、古代ギリシアでも栽培されてきた人気のフルーツです。洋梨は正式な和名を「西洋梨」といい、バラ目バラ科ナシ属の樹木に実を付ける果樹のことを言います。
日本で「梨」というとしゃく感とジューシーな果汁をイメージしますが、これはいわゆる「和梨」のイメージであって、洋梨のイメージではありません。
ただし和梨と洋梨は分類上だと同じ種類になるので、特徴や見た目は大きく違うのですが和梨と洋梨は親戚関係です。和梨は全国各地で栽培されますが、洋梨はあまり見かけません。
日本国内で洋梨を栽培している様子をあまり見かけないのは、日本の気候・風土が洋梨の栽培にあまり適していないことが関係しています。日本の主な洋梨産地といえば山形・新潟・青森などがありますが、国産洋梨の約7割は山形産です。
しかも日本で最も多く栽培される洋梨種「ラ・フランス」は山形産が多く、山形の特産品でもあります。ちなみに洋梨にもいろいろな種類があるのですが、洋梨の種類によって形・味・香りが異なります。
濃厚な味と芳醇な香りが特徴の洋梨「ラ・フランス」が日本では有名ですが、細長い形をした洋梨「パートレット」もおすすめです。さらに皮の表面がきれいな洋梨「ルレクチエ」や、大きいものだと1kgにもなる洋梨「マルゲリット・マリーラ」なども人気があります。
なお洋梨の種類は4000種ほどあるといわれていますが、日本国内で栽培される洋梨の種類は20品種前後です。国内収穫量トップ3は「ラ・フランス」「バートレット」「ルレクチェ」の3種で、中でもラ・フランスが大半を占めます。
肩の部分が柔らかくなったら食べ頃
しゃく感が特徴の和梨は日持ちしにくいのでできるだけ早く食べるのがおすすめですが、洋梨は収穫した直後に食べても甘さがなく、おいしい梨とは大きくかけ離れています。
洋梨といえばねっとりした甘みと柔らかさが特徴ですが、収穫したての洋梨は固く、洋梨特有の香りもしません。もちろん甘みもほとんどないので、おいしくないのです。
実は洋梨は「追熟させることでおいしくなる果樹」で、種類によって期間は違いますが一定期間寝かせることで柔らかくて甘い洋梨になります。追熟具合は皮の変色で判断するのですが、国産洋梨の多くは緑色の皮なので、皮の色で熟成具合を判断することが難しいです。
洋梨のプロは香りの強さで熟成度を判断することもできますが、この方法は簡単にできるものではありません。そのかわり触って判断する方法なら簡単です。ちなみに洋梨は肩が柔らかくなると食べ頃になります。
洋梨は食べる2時間前に冷蔵庫で冷やすのがおすすめ
洋梨は追熟させるほどおいしくなります。ですから保存する際は「常温」が基本です。そもそも洋梨の収穫時期は秋・冬に集中するので、常温でも気温や湿度の影響で傷む心配がありません。なお保存場所の気温が10℃以下になると、洋梨の熟成速度は急激に落ちます。
そのため保存する際は常温が基本ですが、完熟した洋梨は、常温で食べるのではなく冷やして食べた方がおいしいです。そんな洋梨は、食べる直前(概ね2時間前)に冷蔵庫に入れて冷やせばおいしく食べられます。
洋梨のおすすめの切り方・剥き方【その1】
和梨の親戚にあたる洋梨ですが、おすすめの切り方は違います。和梨はしゃく感が特徴にあるので、食べ頃でも果肉は比較的しっかりしていますし、切り方・剥き方も簡単です。ところが和梨の親戚である洋梨は、和梨の切り方では上手に切れません。
収穫したてだと果肉も固いので、和梨の切り方と同じでもきれいに仕上がります。ただし収穫したばかりの洋梨は甘みが少なく、芳醇な香りもほとんどしません。そのため追熟させることで甘みをアップさせるのですが、熟すほどに果肉が柔らかくなるので切り方も難しいです。
ですから和梨のように「皮を剥く→くし切りにする→種・しんを取り除く」の切り方は、洋梨の切り方としてはおすすめしません。
中心をスプーンでくりぬいてから剥く方法
包丁が苦手な人におすすめの切り方が、「スプーンと包丁を使った切り方」です。完熟した洋梨の果肉はかなりやわらかいのですが、中心にあるしん(種がある部分)は意外と実がしっかりしています。
そこで芯をスプーンで取り除いてから、くし切りにして皮をむく切り方がおすすめです。この切り方では、最初にスプーンを使ってしんを取り除きます。スプーンでくり抜きやすくするために、まずは洋梨を縦半分に切りましょう。
半分に切った洋梨の中心には種を含むしんがあるので、スプーンを使ってくり抜いてください。なおしんの部分は果肉と比べると固いので、スプーン柄の先端ではなくスプーン柄の根元をつかむと、それほど力を入れなくても簡単に取り除けます。
スプーンできれいにしんが取り除けたら食べやすいようにくし切りにし、面取りと同じ切り方で皮を剝けば完成です。この切り方であれば包丁が苦手な人でも柔らかい果肉を傷つけることはないですし、皮もきれい剥けます。
洋梨のおすすめの切り方・剥き方【その2】
スプーンを使う切り方は包丁が苦手な人におすすめの切り方ですが、しんの部分の切断面が丸くなってしまいます。コンポートにする場合の切り方や、ひと口大にカットする場合の切り方であれば、中心部分の断面はそれほど気になりません。
ですからスプーンを使う切り方もおすすめですが、くし切りにする場合、断面がシャープに見える切り方の方がおすすめです。
この場合は包丁を使ってしんを取り除く切り方になるのですが、包丁を使う切り方にもやり方の順序を意識するだけで、断面がきれいな切り方になります。
縦半分に切ってからヘタを取る方法
包丁を使って断面すべてがシャープに見えるようにする切り方も、皮を剥く前に縦半分に切るところから始めます。半分に切ることによってまな板の上でも安定するので、包丁が苦手な人でも安全な切り方です。
半分に切った洋梨をさらに半分にすると、全部で四等分になります。ここでくし切りにするのも良いのですが、種があるしんの部分が固いので、上手にくし切りにするのは難しいです。
その点「縦半分にに切る→断面を下に向けさらに2等分にする」の切り方であれば、切った洋梨を均等なサイズに揃えられますし、柔らかい果肉部をつぶさずに切れます。
4等分にしたらりんごのしんを取り除くのと同じように、V字に切り込みを入れてしんを取り出してください。しんが取り除けたら、面取りと同じ切り方で皮を丁寧に剥いて完成です。
洋梨の切り方のコツ
洋梨の切り方は和梨の切り方とは違いますが、切り方次第でおしゃれに見せることもできます。そんな洋梨をきれいに見せるには、簡単だけど知っておくべき切り方・剥き方のコツがあります。
実が柔らかいので触り過ぎない
洋梨は和梨のように丸い形をしていないので、おしゃれな切り方にするのがとても難しいです。しかも食べ頃になると収穫直後とはまったく違い、果肉はとても柔らかくなっています。
そのため上手に見える切り方を意識しても思った通りの切り方にならないことも多いですし、ひょうたんのような形やいびつな形のものが多いので、皮も剥きにくいです。
ただしきれいな切り方・剥き方を意識しすぎると、洋梨を不要に触りすぎてしまいます。硬い状態の洋梨であれば特に問題はないのですが、熟して柔らかくなった洋梨の触り過ぎは傷み・変色のもとです。
そのため洋梨をおしゃれなデザートにしたい場合は、いくつかある切り方の中から簡単にできそうな切り方を選び、できるだけ触りすぎないようスピーディに切り分けるようにしましょう。
切った後は変色しやすいので注意
包丁を使った切り方だけでなく包丁&スプーンを使う切り方も、皮が剥きにくく切りにくい洋梨もおしゃれかつきれいに切ることができます。切り方によっては和梨の切り方よりも簡単なので、包丁が苦手な人にもおすすめです。
ただし切った洋梨はできるだけ早く食べないと、表面が茶色っぽく変色してしまい見た目が悪くなります。これは洋梨に含まれる栄養成分・ポリフェノールの影響です。
ポリフェノールが空気に触れて酸化することが変色の原因なのですが、洋梨特有の症状ではなくりんごでも同じ症状が見られます。なおりんごの変色防止として定番の「塩水につける」という方法は、洋梨の変色防止にも一定の効果があります。
塩水以外にも「レモン果汁を付ける」「酢水につける」なども、変色を予防する方法としてよく使われます。とはいえせっかく切り方にこだわっておしゃれなデザートに仕上げるのですから、塩水につけて変色を防止するよりも変色する前に食べる方がおすすめです。
洋梨の綺麗でおいしい切り方をマスターしよう!
食べ頃の洋梨は果肉が柔らかいので皮の剥き方や切り方が難しいのですが、切り方・剥き方のコツを知っておけば初めてでも洋梨をおしゃれに切ることができます。
なお洋梨は種類によって形や特徴が違うので、洋梨の特徴に合わせて切り方や皮の剥き方を変えるとよりきれいに見せることができるでしょう。