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さつまいもは茹でる方法や時間で甘さが変わる!
秋から冬にかけて市場に出回るさつまいもは、甘さと食感が魅力の食材です。お米が貴重だった時代には主食として食べられていたさつまいもですが、今ではさまざまなジャンルのレシピに使える万能食材として人気があります。
さつまいもの生産地として有名なのは鹿児島で、全国で生産される約30%が鹿児島産さつまいもです。またさつまいもは品種が多いことも魅力に挙げられます。例えば鹿児島・種子島生まれの安納芋は「蜜いもの王様」と呼ばれ、ねっとりとした食感と甘さが魅力です。
徳島・鳴門市が名産地の鳴門金時は、鮮やかな紅色の皮と上品な甘さが人気で、焼き芋や焼き菓子によく使われます。
珍しいさつまいも種の中には、皮の色が白いさつまいも「七福芋」もあります。愛媛・新居浜市で生産されている特産品で、生産量が少ないため非常に希少価値が高いのですが、糖度はなんと15%もある甘さの強いさつまいも種です。
愛媛・新居浜市の七福芋のような地域特産ブランドは全国各地にあり、それぞれに甘さ・食感・形に特徴があります。そんなさつまいもは基本的に生では食べません。
さつまいもの主な調理法には、「焼く」「蒸す」「茹でる」があります。いずれの調理法もおいしいさつまいもの調理法として人気です。どの方法もおいしいさつまいもを楽しむのにおすすめですが、短時間で加熱できる方法といえば「茹でる」がよいでしょう。
ただしさつまいもを茹でる場合には、茹でる時間によって甘さが変わります。せっかくおいしいさつまいもが手に入っても茹でる時間を間違えると、甘みが少なく食味も悪い茹でさつまいもになってしまいます。
ですから旬のさつまいも本来のおいしさを引き出しながら茹でるには、「茹でる時間」に注意して調理するのがポイントです。
さつまいもをおいしく茹でるコツ
食材を茹でるときには「沸騰したお湯から茹でる」と「水から茹でる」の2種類があります。食材の下茹処理などには「沸騰したお湯から茹でる」が一般的です。
ところが食材によっては「水から茹でる」を基本とする食材もあります。ではさつまいもの場合は、どちらの方法を使って茹でるのが正しい茹で方なのでしょうか?
水から茹でる
さつまいもを茹でる際には「水から茹でる」が基本です。さつまいもの主な調理法には「茹でる」以外に「焼く」「蒸す」がありますが、いずれの調理法にも共通することがあります。それが「時間」です。
さつまいもは品種によって糖度に違いがあるのですが、生のさつまいもよりも加熱した方が糖度が高くなります。しかも短時間で一気に加熱するよりも、時間をかけてゆっくり加熱をすると甘さが増すのも共通する特徴です。
そのためさつまいもを茹でる場合にも、沸騰したお湯にさつまいもを投入するのではなく、水の段階から時間をかけて茹でることがおいしいさつまいもにするポイントといえます。
低温でじっくり
茹でる際には火加減も重要になりますが、「茹でる」「焼く」「蒸す」では「低温で時間をかけてじっくり加熱」が共通ポイントです。急激に温度を上げるとさつまいもに含まれる水分が一気に蒸発し、食味の悪いさつまいもになってしまいます。
もちろん水分が失われたさつまいもでは糖度が高くなることはありませんから、糖度が高いさつまいもであっても本来の甘さになることができません。特に「茹でる」という調理法は、十分に注意が必要です。
さまざまな栄養成分を含むさつまいもですが、さつまいもの栄養成分の中には水に溶けやすい成分も含まれています。
そのため「焼く」「蒸す」に比べると栄養成分が少ない傾向があるのですが、低温でじっくり加熱すれば消失する栄養成分を最小限に抑えることが可能です。しかも時間をかけて茹でるとさつまいもの糖度がアップしますから、甘さのレベルをMAXまで引き上げられます。
さつまいもをおいしく茹でる方法
「焼く」「蒸す」と同じように、「茹でる」でも時間をかけてじっくり加熱するのがおいしいさつまいも作りのポイントです。ただしさつまいもには水に溶けやすい栄養成分もあるので、作り方のポイントをおさえながら茹でさつまいもを作っていきましょう。
さいつまいもは丸ごと茹でる方が甘さが増す
茹でさつまいもを作る場合には、「切ってから茹でる」と「丸ごと茹でる」があります。どちらも茹でさつまいもの定番ですが、茹でる時間に違いがあります。
さつまいもは火の通りにくい食材ですから、火が通りやすいように切って茹でた方が茹で時間も短くて済みます。そのため時短レシピにおすすめです。
ただし水に触れる面が多いほど栄養成分は逃げていきますし、甘みも薄くなります。そのため甘みの強いおいしい茹でさつまいもにするなら、「丸ごと茹でる」がおすすめです。
茹で時間
丸ごと茹でた場合、さつまいものサイズ(大きさ・太さ)によって茹で時間は異なります。1人でも食べきりやすい小ぶりサイズのさつまいもなら、概ね30分の茹で時間でOKです。ただし中型~大型サイズのさつまいもだと、30分以上かかります。
料理に使うなら切って茹でるのがおすすめ
料理に使うために茹でるなら、丸ごと茹でるよりも切って茹でた方が短時間で完成するのでおすすめです。なお切って茹でる場合には、レシピに合わせて切り方を変えましょう。
和食の定番である煮物にするなら、厚めの輪切りにし、面取りをしてから茹でると煮崩れしにくいです。旬のさつまいもを使った人気レシピ・さつまいもごはんには、乱切りにした方がさつまいもの食感が楽しめます。
なお大学いももさつまいもの定番レシピですが、大学いもの場合には乱切りにしてから茹でるのがおすすめです。
茹で時間
切ったさつまいもを茹でる際には、沸騰する手前で火を弱めるのがポイントです。丸ごと茹でるよりも煮崩れを起こしやすいですし、火の通りも早くなります。
そのため沸騰させてしまうと甘みが引き出される前に火が通ってしまい、おいしくなくなります。なお厚めの輪切りにした場合が最も時間はかかりますが、それでも沸騰直前に火を弱めてから約10分で完成です。
茹でたさつまいもを使ったおいしいレシピ
じっくり茹でるとおいしいさつまいもになることが分ったところで、茹でさつまいもを使った簡単&おいしいレシピに挑戦してみましょう。
シンプル!さつまいもの塩茹で
塩を加えることでおいしさがアップするさつまいもの特徴を生かした、簡単にできるさつまいもレシピです。さつまいも塩茹では、多めの塩を入れた水でさつまいもをじっくり茹でるだけでできるので、初めてチャレンジしても失敗がありません。
ただしおいしいさつまいも塩茹でにするには「丸ごと茹でる」がポイントです。塩によって甘さを引きだすのがこのレシピの特徴ですから、甘さを最大限に引き出すためにも皮ごと茹でる必要があります。ただし丸ごと茹でると、どうしても茹でる時間が長くなります。
ですから少しでも茹でる時間を短縮するために、小ぶりサイズのさつまいもを選ぶようにしましょう。茹でる方法は、基本の茹で方と同じです。
さつまいもが浸る程度の水を入れ、やや多めの塩(さつまいもの量で調整)を加えて火にかけます。沸騰するまでは強火でよいですが、沸騰したら中火にしてください。茹でる時間はの目安は20分です。
ただしさつまいもの大きさによって茹でる時間が変わるので、太めのさつまいもの場合は30分ほど茹でる時間がかかります。
茹ですぎると栄養成分が失われてしまうので、竹串を使って火の通りをチェックするのがおすすめです。塩茹でしたさつまいもはそのままでもおいしいですし、冷めてもしっとりとした食感が楽しめるので、おやつや朝食にもおすすめです。
まろやか!さつまいものサラダ
さつまいもは蒸すよりも茹でる方が、食感が滑らかになります。そこで茹でたさつまいもを使って、優しい甘さと2種類の食感が楽しめるさつまいもサラダに挑戦してみましょう。さつまいもはどの種類を使っても構いません。
茹でるとほくほく系のさつまいももしっとりした食感になるので、スーパーで安く手に入ったさつまいももおいしいサラダになります。さつまいもは茹でる前に切っておきますが、切り方を2種類に分けてください。
半分はマッシュ状態にするので、皮つきのままやや厚めの輪切りにします。残りの半分は食感を楽しむため、皮をむかずに2cm~3cmサイズの角切りにしておきます。
茹で方は、茹でさつまいも作りの基本である「水から茹でる」です。ただし輪切りと角切りでは火の通り方が違うので、別々の鍋で茹でるほうが失敗しません。茹で上がったさつまいもは、角切りはそのまま、輪切りは皮をむいてマッシュ状にします。
マッシュしたさつまいもにマヨネーズと砂糖を加え、全体を混ぜ合わせてください。全体的に調味料が混ざったら、湯切りしておいた角切りさつまいもを加え、塩で味を調えながらしっかりと混ぜれば完成です。
なお別々にさつまいもを茹でるのが面倒な場合は、角切りさつまいもだけのサラダにしても構いません。マッシュする作業が省けるので、時間がない時でも簡単に作れます。
さつまいもは茹でるとしっとりホクホクに!
「さつまいもは茹でると栄養成分が少なくなる」といいますが、茹でる時間や茹で方、レシピによって栄養を損なわずに調理することができます。特にさつまいもは茹でると甘さが出てきますし、しっとり&ほくほくした食感になるのでおすすめです。