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夏から秋にかけて旬を迎える【梨】
夏から秋はさまざまなフルーツ&食材が旬を迎えます。「食欲の秋」といわれるのもそのことに関係するのですが、旬の食材はおいしいでけでなく栄養も豊富に含まれているところがおすすめです。
果汁がたっぷりで夏バテ気味な時の水分補給として人気の梨も、夏バテで弱った体を回復する栄養成分や美容に役立つ栄養成分を豊富に含んでいます。そんな梨は、夏だけでなく秋も旬です。
すべての梨が夏~秋に旬を迎えるのではありませんが、さまざまな種類がある梨だからこそ2シーズンにわたって「栄養補給におすすめの食材」といわれています。
日本ではたくさんの種類の梨が栽培されている
日本国内にはさまざまな品種の梨が栽培されていますが、いずれの梨もバラ科に属する植物です。バラというと観賞用として栽培されることが多い植物ですが、同じバラ科の梨は食用として栽培されているところが大きな違いといえます。
そんな梨は世界中でも栽培されていて、産地をもとに「日本梨(和梨)」「西洋梨(洋梨)」「中国梨」の3タイプに区分されます。日本で「梨」といわれるのは日本梨(和梨)のことで、西洋梨の場合は「西洋梨」「洋梨」と表記されるのが一般的です。
日本梨・西洋梨・中国梨は、それぞれに味や食感に違いがあります。ちなみに栄養成分もそれぞれの梨種によって違いがあるのが、日本梨・西洋梨・中国梨の特徴です。
梨の主な産地と出回り時期は?
梨は日本で古くから栽培されていたというだけあって、全国各地に産地があります。ただし亜熱帯地方に属する沖縄は梨栽培に適しておらず、産地には含まれません。そんな梨が最も多く栽培されているのは「茨城」です。
「首都圏においしい梨の産地があるなんて」と驚く人も多いのですが、実は茨城だけでなく千葉や栃木なども梨の産地として有名な地域に挙げられます。
国内で栽培されている梨の種類は多いのですが、最も生産量が多いのは「幸水」で、次いで「豊水」「新高」「二十世紀」が続きます。国内で栽培される日本梨は、「収穫時期=梨の旬」です。
収穫時期は栽培地域によって違うので、梨の旬をはっきりと提言することはできません。ただし旬の梨は栄養をたっぷり含んでいるので、梨を食べるなら旬の梨を食べるのが一番です。
なお梨の種類によって収穫時期は若干異なるのですが、収穫のピークが集中しているのが8月~9月になります。
ピーク時にはさまざまな梨品種が収穫されるので、夏バテ防止や美容のために梨の栄養成分を摂取するなら、出荷時期が重なる夏にターゲットを絞るのがおすすめです。
梨に含まれる栄養と健康・美容効果
梨は水分が多いので「栄養豊富な食材」というイメージを持っている人はそれほど多くありません。ところが梨に含まれる栄養成分には、健康維持や美容に役立つ栄養効果がたくさんあります。
【梨の栄養】夏バテに効果が期待できるアスパラギン酸
梨の栄養成分として注目して欲しいのが、アミノ酸の1種である「アスパラギン酸」です。アミノ酸にはさまざまな種類があるのですが、その中でも特に健康維持や美容に欠かせない栄養成分といわれているのが20種類あります。
グルタミン、アルギニン、BCAA、トリプトファンなども20種の栄養成分に含まれるのですが、梨の栄養成分・アスパラギン酸も20種類のアミノ酸の1つです。
アスパラギン酸はと呼ばれる体中にエネルギーを生産・供給する働きをする「TCA回路」(細胞の1種)に最も近いに存在します。
体が疲れを感じたときにはエネルギーの供給が必要になるのですが、その役割を果たすのが「TCA回路」であり、アスパラギン酸はエネルギー生成やエネルギーの供給に欠かせない栄養成分です。
アスパラギン酸はほかの食材にも含まれているのですが、熱に弱いため、加熱調理が必要な食材だと十分に栄養効果を発揮しません。その点梨は加熱しない食べ方が一般的ですから、梨に含まれる貴重な栄養成分をそのまま摂取することができます。
【梨の栄養】整腸作用が期待できるソルビトール
甘みの強い梨には、ソルビトール(ソルビットまたはグルシトールともいう)が含まれています。ソルビトールは甘みの強い栄養成分で、食品添加物に使われることもあります。
甘みが強いのは糖アルコールの一種だからで、甘い蜜を付けるりんごにも含まれている栄養成分です。梨のように甘みの強い食材は、糖度の高さがカロリーを高くすることがあります。ところがソルビトールは砂糖よりもカロリーが低いので、梨のカロリーも控えめです。
さらに梨のソルビトールには腸の働きを整える栄養効果もあります。腸の健康は美容にも関係するので、梨に多く含まれるソルビトールの栄養効果で腸活をするのもおすすめです。
【梨の栄養】むくみ解消につながるカリウム
気温が高い夏は汗とともに塩分も身体から排出されるため、給水と併せて塩分補給も積極的に行う必要があります。ただし摂りすぎてしまった塩分は、健康維持や美容にとって良い影響を与えません。そんな時にも梨の栄養成分が役立ちます。
梨には体にたまった余分な塩分(ナトリウム)を排出してくれる栄養成分「カリウム」の含有量が多いです。そのため夏に陥りがちな塩分の過剰摂取を、食事で正常な状態に戻してくれます。
なお塩分が溜まりすぎるとむくみが発生します。むくみの解消法にはいろいろなものがありますが、食事でむくみが解消できるのはありがたいことです。
しかも梨は皮をむくだけの食べ方でむくみが解消できるのですから、おいしい上に健康や美容に役立つなら一石二鳥でしょう。
【梨の栄養】美肌効果が期待できるビタミンC
梨の栄養の中にはビタミン類も含まれます。ビタミンが豊富な食材というわけではないのですが、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2など複数のビタミン類を含んでいるのが特徴です。中でも特に含有量が多いのがビタミンCです。
ビタミンCはブロッコリーやパプリカ、レモンなどに多く含まれる栄養成分で、細胞や皮膚を生成するのに欠かせません。もちろん肌も細胞によって構成されているため、新しい細胞が次々と作られれば肌の状態も良くなるわけです。
ただしビタミンCは熱に弱いので、生で食べる食べ方が基本となります。その点でも梨は「ビタミンCを効率よく摂取できる食材」といえるでしょう。
梨のカロリーと糖質はどれぐらい?
梨のカロリーと糖質は「日本梨」と「洋梨」で大きく違います。日本国内では洋梨の生産農家も多数ありますし、「日本梨よりも洋梨の方がおいしい」という人も多いです。ただしカロリーや糖質面で比較すると、日本梨の方がおすすめです。
洋梨は日本梨に比べて糖質量が多い上に、カロリーも48kcal/100gあります。これに対して日本梨は糖質が10.4gで、カロリーは38kcal/100gとかなりヘルシーです。
ちなみにダイエット食として挙げられるりんごよりも糖質・カロリー共に低いので、カロリー制限ダイエットや糖質オフダイエットにも適した食材といえるでしょう。
梨のおすすめの食べ方
梨に含まれる栄養成分には熱に弱いものも多く含まれます。そのため栄養を損なわずに食べるのであれば、冷やしてそのまま食べる食べ方がおすすめです。梨は冷やすと糖度がアップするので、常温よりも冷蔵庫で冷やした方がおいしくいただけます。
ただし冷やし過ぎは禁物です。そのため食べる1時間前に冷蔵庫で冷やすのが、おいしく梨を食べるポイントといえます。
要注意!梨の食べすぎには体に良くないことも
栄養満点で果汁たっぷりの梨ですが、食べ過ぎると効果的に栄養を摂取するどころか、体に悪影響が出る危険もあります。健康維持や美容に役立つ栄養成分が豊富に含まれる梨ですが、その栄養成分の中にはお腹の調子を崩す危険のある栄養成分も含まれます。
その危険な梨成分というのが「石細胞」です。梨はしゃくしゃくした食感がおいしさの特徴に挙げられますが、このしゃくしゃく食感を生み出すのが石細胞で、食べ方によっては体に悪影響を与えます。
適量を毎日摂取する食べ方であればお腹の調子を整える栄養成分・石細胞のままでいてくれるのですが、食べ過ぎるとその性質が変貌します。
実は梨に多く含まれる石細胞には腹痛を起こしやすくする成分も含んでいるため、食べ過ぎると石細胞の栄養効果によってお腹の調子を崩すことがあります。
ですから梨は適量を毎日摂取する食べ方なら栄養学的にもおすすめですが、一度に大量の梨を食べるのはせっかく健康維持や美容に役立つ栄養成分が悪さをすることになるので注意してください。また梨でアレルギー反応を起こすことがある点にも注意が必要です。
食物アレルギーの一種なので、梨アレルギーの反応度は個人差があります。そのため梨を食べたとしても軽症のアレルギー症状で収まることもありますが、場合によってはかなり重篤なアレルギー反応を起こすこともあるといえます。
そのため食物アレルギーがある人は、梨アレルギーについてもアレルギーチェックを行っておくのがおすすめです。
梨には体に嬉しい栄養がたくさん!
果汁たっぷりの梨は夏バテ防止の水分補給に人気ですが、実は夏バテ気味の時ほど摂取しておきたい栄養成分が豊富に含まれています。
食べ方によって摂取できる栄養成分や栄養摂取量は変わりますが、健康維持だけでなく美容に役立つ栄養成分も多く含まれているので、夏の疲れを梨で解消するのもおすすめです。