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ぶどうがおいしい旬の時期が知りたい!
紀元前3000年頃にはすでに栽培が始まっていたといわれるぶどうは、世界中にさまざまなぶどうがあります。ぶどうから作られるぶどう酒(ワイン)は古代エジプトやメソポタミア文明でも登場していますが、当時ブドウ産地として有名だったのは古代ギリシャです。
古代ギリシャがローマ帝国に征服されると、ぶどうを使ったワインがローマにわたり、それとともにブドウの栽培方法もローマを通じて世界各国に広がります。そんなぶどうが日本に伝わったのも、シルクロード経由だったといわれています。
日本のぶどう栽培に関しては諸説あるのですが、もっとも古い記述では奈良~平安時代に交易を通じて日本へ移入されたという説が有力です。
ちなみに日本のぶどう栽培発祥地といわれているのが、山梨・勝沼町といいます。今でも山梨は日本屈指のぶどう産地として有名ですが、全国にもぶどうの産地は多数あります。
しかも現在市場に流通している国産ぶどう・主要品種だけでも約80種あるといわれているので、品種によって旬のぶどうが食べられるタイミングが違います。
ぶどうの旬の時期は品種によって違う
日本国内で栽培されている主要なぶどう品種は、皮の色によって「黒系ぶどう品種」「赤系ぶどう品種」「緑系ぶどう品種」の3種類に分かれます。これは見た目を重視した際にわかりやすい区分方法ですが、ぶどうの旬を知るにはそれ以外にも知っておくべきことがあります。
それが「ぶどうの栽培方法」です。ぶどうは世界的にも人気の高い食材ですから、栽培方法も早い段階から積極的に開発されてきました。その中で分かりやすい区分方法が「露地もの(露地栽培)」と「ハウスもの(ハウス栽培)」の2種類です。
露地ものは自然に近い状態で栽培するので、天候や気候に左右されますが、その分おいしいぶどうができます。
ハウスものは天候に関係なく栽培ができるので安定して栽培ができますが、ハウスの維持費がコストとして負担になるため、露地ものよりも若干高めの傾向が強いです。しかも露地ものとハウスものは旬の時期が違います。
出荷したい時期に合わせてハウスの温度が調整できるハウスものは、出回り始めも早いですし、露地ものの旬が終わった後でも出荷できます。
露地ものは旬の時期が短いですが、その分おいしいぶどうが多いのが特徴です。露地ものでもほかのぶどう品種よりも早く旬を迎えるのが、小粒で種がない赤系ぶどう品種「デラウェア」です。
巨峰に次ぐおいしいぶどうとして開発されたデラウェアは、値段の手頃さと食べやすさが魅力に挙げられます。子供でも口の中で簡単に皮がむけますし、果肉が柔らかいのでお弁当や学校給食でも人気です。
そんなデラウェアは露地ものだと7月~8月が旬です。ハウスものなら4月頃には出回るデラウェアですが、糖度が高く柔らかい露地ものは夏が旬なので、夏のデザートにも人気があります。
デラウェアの登場によって若干お株を奪われた感がある巨峰ですが、その人気は依然として根強いです。巨峰は黒系ぶどう品種の代表で、名前の由来には世界自然遺産に登録されている富士山が関係しています。
大粒種の巨峰は甘みが非常に高く、果汁もたっぷり含んでいるのが特徴です、本来は種付きぶどうなのですが、近年は食べやすいように種無し品種の方が主流になっています。そんな巨峰は長野が最も生産量が多いです。
長野の巨峰も露地もの・ハウスものがありますが、おいしい巨峰として紹介されるのは露地ものでしょう。露地ものは8月~9月が旬で、地域によっては10月まで旬の露地ものが食べられます。ハウスものは6月頃から出回りますが、8月が旬のピークです。
ただし露地ものが出回るのは8月下旬以降ですから、夏ギフトとして珍重されるのは7月~8月に旬を迎えるハウスものといえます。
夏の高級ギフトや秋のぶどう狩りとして人気のシャインマスカットは、緑系ぶどうの人気品種です。皮が薄くそのまま食べることができる人気品種で、これまでの国産ぶどう品種としては珍しいしゃくしゃくとした食感が楽しめます。
そんなシャインマスカットは非常に人気のあるぶどう品種なので、全国各地で栽培されているのが特徴です。シャインマスカットは、マスカット系のぶどうといえます。
そんなシャインマスカットは、ヨーロッパとアメリカの人気ぶどう品種を掛け合わせて誕生したハイブリットぶどうです。そんなシャインマスカットは、山梨と長野の2県で全体の半分以上を占めています。
そのためシャインマスカットの旬は山梨・長野の旬をもとに紹介されることが多いのですが、それはあくまでも露地ものに限られます。露地ものであれば8月下旬~9月下旬がピークですから、夏・秋が旬のぶどう品種です。
ハウスものの場合は6月下旬から出回り始めるので、露地ものより一足先に楽しみたい時や大切な人の夏ギフトに悩んだ時には、夏に旬を迎えるハウスものを選ぶのもよいでしょう。
アメリカで定番の赤系ぶどう「ホリデイレッドシードレス」は、アメリカ・カリフォルニアにあるぶどう果樹園によって開発されたぶどう品種です。
独占生産・独占販売をしているのでなかなか手に入れるのが難しいのですが、皮ごと食べられるためシャキシャキした食感が魅力に挙げられます。
ただしアメリカ・カリフォルニアの農場限定で生産・販売しているのがホリデイレッドシードレスですから、輸入状況によって入荷量がばらつきます。
そんなホリデイレッドシードレスですが、11月下旬~12月下旬が旬なので、この時期に輸入ぶどうを取り扱う店舗をチェックするのがおすすめです。日本のぶどう栽培のパイオニアでもある山梨・甲斐路は、赤系ぶどう種に区分されます。
欧州系ぶどうを掛け合わせたことによって作られた日本産のぶどうで、別名「赤いマスカット」とも呼ばれるところが特徴です。粒の大きさはマスカット以上で、日持ちがしやすく芳醇なマスカット香りと糖度の高さが魅力に挙げられます。
甲斐路は露地栽培のみで行われるこだわり品種で、国内で栽培される甲斐路の80%以上が、生産量日本一の山梨です。ちなみに山梨産・甲斐路の旬は9月下旬~10月下旬で、収穫のピークも旬と同じになっています。
ぶどうの旬の時期は地域でも違う
品種や栽培方法によって旬の時期が変わるぶどうですが、栽培地域によっても旬が変わります。そのためおいしいぶどう選びをする際には、栽培地域に注目することも重要です。ぶどうの旬が地域で変わるのは、気候の変化によるものと考えられます。
ぶどうには日照時間と昼夜の温度差の大きさがおいしさに大きく関係しますが、それらは地域によって変わるものです。そのため同じ品種・同じ栽培法でも、栽培地域によって旬の時期にはずれが生じます。
おいしいぶどうを楽しむなら旬の時期がおすすめ
おいしいぶどうを食べるなら、旬のぶどうを選ぶのがおすすめです。ただし品種や地域が違うと旬も変わるのがぶどうなので、食べたいぶどうが決まっている場合は事前の旬チェックが欠かせません。
逆に「今が旬のぶどうが食べたい」という場合は、地域別の旬情報をチェックして選べばおいしい旬ぶどうが食べられるでしょう。