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和洋中の料理に活躍する「チャイブ」
本記事で紹介していくハーブ「チャイブ」は、九条ネギと似たような見た目のハーブです。ヨーロッパを中心に使われており、チャイブを使ったポテトサラダは非常にポピュラーな一品で、チャイブが入らないとポテトサラダとはいえないといわれるほどに愛されています。
日本でもとても馴染み深い風味をしており、和洋中どの料理とも親和性が高いため、ハーブの中ではとても小回りが利く便利なハーブといえるでしょう。
本記事では、そんなチャイブの特徴からおすすめのおいしい使い方、家庭でできる栽培の仕方まで、チャイブをもっと使いたくなる情報をお届けします。
チャイブはどんなハーブ?
先ずは、チャイブがどのようなハーブなのかをご紹介します。チャイブはヨーロッパやアメリカを中心に使われているネギの仲間で、主な使い方も概ね日本のネギと同じ様に、刻んで様々な料理に散らし、薬味のように使われています。
鮮やかな緑色が彩りになることはもちろん、爽やかで繊細な風味もチャイブを語る上で欠かすことが出来ない魅力です。ポテトサラダ、ヴィシソワーズ、サラダなど幅広い品目に使われています。
マイルドなネギの風味が特徴
ネギの仲間というだけあり、風味もネギによく似ています。しかし日本で主に食されているネギと比べ、刺激がまろやかで香りも玉ねぎに近い感じです。
薬味としては刺激が足りないと思う方もいるでしょう。しかし刺激が少ない分日本のネギが苦手という方にとって、チャイブはちょうどいい薬味といえるでしょう。
一般的に使われるのは葉と花
チャイブは多くの場合葉の部分を使います。ヨーロッパで主に使われているのも、チャイブの葉の部分です。しかし、チャイブは葉だけでなく花も食べること出来るのです。
チャイブはピンクがかった紫色の、ぼんぼりのような可愛らしい花を咲かせます。花も葉と同じ様に、ネギのような風味を楽しめまので、ネギ同様に料理に散らして食べることが出来ます。いつものチャイブの鮮やかな緑とはまた違った魅力を感じる彩りを楽しめます。
しかし、チャイブは開花してしまうと葉が固くなってしまいます。一般的に花は開花前に切落としてしまうため、食べられる機会は非常に少ないです。食用として市場に出回ることはあまり無いので、チャイブの花が気になる方は自家栽培してみると良いでしょう。
また、りんご酢などに漬けてチャイブビネガーにするのもおすすめです。3日ほど漬けると花弁の紫色が酢に移り、美しい淡い紫色のお酢になります。サラダドレッシングにすれば、おいしいだけでなく見た目も映えるのでおすすめです。
ヨーロッパでは古くから家庭で栽培されてきたハーブ
チャイブは高い汎用性や栽培難易度の低さから、ヨーロッパでは多くの家庭で栽培されているハーブです。収穫出来るようになるまで時間がかかりますが、1度育ち切ってしまえば何度も育ち、収穫できるようになりますので、家計に優しいハーブなのです。
地植えとプランター、どちらでも栽培出来るため場所を選ばず、風通しの良い日陰に置いて土が乾ききらない程度に水を上げていれば問題なく栽培できる強いハーブです。
しかしチャイブにはアブラムシが付きやすく、放っておくとすぐ大量発生してしまうので、栽培の際対策は必須です。定期的に様子を見て、少量ならばピンセットなどで除去しましょう。ピンセットでは取り切れない場合は、木酢液を作ってスプレーしてあげると良いでしょう。
チャイブのおすすめの使い方
チャイブが広く親しまれているヨーロッパ諸国では、いったいどのようなシーンでチャイブが活躍しているのでしょうか。派手さは無いですが欠かせない、縁の下の力持ちのようなチャイブの活躍の場をご紹介します。
葉はスープなどの薬味や風味付けに
チャイブはネギの仲間というだけあり、活躍の場もネギと非常に良く似ています。日本ではネギを薬味として味噌汁に散らしますが、ヨーロッパ諸国ではチャイブが同じ様な薬味として使われています。
スープだけでなく、タルタルソースやディップにチャイブを混ぜ込む使い方もあります。こってりとした風味の中にほのかな甘みと爽やかさが加わり、味にグンと深みが増します。
肉料理や魚料理などにトッピングして香り付けに
他にも、ネギと同様に肉や魚の臭い消し兼香り付けとしての使い方もあります。肉や魚のソテーやパテなど、食材の臭みが気になりやすい料理にチャイブを刻み、かけてあげれば臭み消しと香り付けが一気に出来ます。
鮮やかな緑のチャイブは、香りだけでなく料理に彩りもプラスしてくれますので、料理の華やかさがグンと上がります。また、前述した通りネギと比べ味のクセが少なくまろやかなので、ネギの代わりにチャイブを代用することも出来ます。
チャイブを使ったおいしいレシピ
チャイブが使われだしたヨーロッパ諸国では、チャイブはトッピングや薬味としての使い方だけでなく、レシピに必須の材料としても使われています。いったいどのような使い方をされているのか、本項では詳しいレシピをご紹介していきます。
簡単!チャイブバター
先ずご紹介するレシピが、刻んだチャイブをバターに混ぜるだけで簡単に作れる「チャイブバター」です。用意する物は、基本的にバターとチャイブのみですが、お好みに合わせてバジルやローズマリーなどのフレッシュハーブやガーリックなどを入れるのもおすすめです。
作り方は非常に簡単で、用意したバターを常温に置き、簡単に混ぜられるくらいの柔らかさにしておきます。刻んだチャイブや用意したハーブをバターに加えたら、あとはよく混ぜ合わせるだけです。
チャイブバターはパンやバゲットに塗ってもおいしいですし、ムニエルや肉料理に乗せてもおいしいので、活躍の場が非常に多く、チャイブが採れたら大量に作っておくという家庭もあるほどです。
北欧風ポテトサラダ
デンマークには、チャイブをたっぷり使ったポテトサラダがあります。サワークリームやマスタードを使ったポテトサラダで、爽やかな風味はチャイブと相性抜群です。
材料はじゃがいも5個、チャイブ1束、サワークリーム200ml、マヨネーズ大さじ2、マスタード大さじ1と1/2、砂糖小さじ2、塩胡椒適量です。じゃがいもは茹でた後マッシュせずに、食べやすいサイズにカットしておきます。
決め手となるソースは、サワークリーム、マヨネーズ、マスタード、砂糖、塩コショウ、そしてチャイブ半分を混ぜ合わせて作ります。よく混ざったらじゃがいもにソースを和え、最後に残り半分のチャイブをトッピングして出来上がりです。
サワークリームとチャイブの爽やかな風味の際立つ、異国情緒あふれるおいしいポテトサラダです。レシピはじゃがいものみでしたが、アスパラガスや玉ねぎも相性が良いのでおすすめです。
チャイブを添えたヴィシソワーズ
ヴィシソワーズとは、アメリカ生まれのポタージュのことです。今までご紹介したレシピと異なり、チャイブは浮身としての活躍ですので若干影が薄いのですが、チャイブが多く使われている知名度の高いレシピの代表格ですので、チャイブを紹介するうえで欠かせないレシピといえます。
ポロネギ(別名リーキ)を使うヴィシソワーズは、日本ではポロネギが手に入りにくいため家庭で1から作るのは難しいです。しかし、日本ではポロネギの代用として玉ねぎを使ったレシピがありますので、本記事ではより作りやすい玉ねぎを使ったヴィシソワーズをご紹介します。
玉ねぎヴィシソワーズの材料は、じゃがいも2個、玉ねぎ1/2個、顆粒コンソメ小さじ1、水250ml、牛乳と塩胡椒を適量です。フードプロセッサー、もしくはスティックミキサー必須のレシピですので、準備しておきましょう。
じゃがいもと玉ねぎは、フードプロセッサーにかけやすいよう薄切りにしましょう。切り終えたじゃがいもと玉ねぎは、コンソメと水を入れた鍋で柔らかくなるまで煮込みます。
柔らかくなったら、汁ごとなめらかになるまでフードプロセッサーにかけます。なめらかになったら塩胡椒で味付けし、牛乳で好みの濃さにのばしてからしっかり冷やします。食べる直前に新鮮なチャイブを散らしたら、爽やかでおいしいヴィシソワーズの完成です。
チャイブを活用して料理の幅を広げよう
チャイブは薬味として、浮身として、様々な役割を持つ名脇役的な存在のハーブです。人によってはネギの代わりとしても使えるため、日本の食卓でも非常に活躍の場が多く、とても役に立ちます。
栽培も簡単ですので、気に入ったら是非栽培にチャレンジしてみることをおすすめします。新鮮なチャイブが手に入りますし、節約にもなりますので、まさに一石二鳥です。使い方を知れば生活がさらに豊かになるおいしいハーブが、本記事でご紹介したチャイブなのです。