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ジブリと縁があると噂の長野・渋温泉ってどんな場所?
渋温泉は温泉王国と呼ばれる長野県の中でも源泉がたくさん湧き出ている温泉街です。渋温泉内にあるすべての旅館と外湯はなんと100%源泉掛け流しという贅沢な温泉で、泉質も鉄分を多く含んだ褐色のものから白濁するものなど様々です。
もちろん効能も違うので1つの温泉でいくつもの温泉が楽しめるのが魅力です。昔ながらの建物と石畳が並ぶ温泉街は、現代では再現出来ないレトロな街並みです。
そして、渋温泉最大の魅力といえば有名なジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルになったと言われているスポットが数多くあることです。ジブリ映画に登場する湯屋の独特な世界感に目を釘付けにされた方も多いでしょう。
夜には温泉街がライトアップされ、幻想的な世界観を作り出します。まるでジブリ映画の中に迷い混んでしまったかのような不思議な気分が味わえます。
長野の渋温泉のある場所やアクセス方法
渋温泉は、長野県下高井郡山ノ内町に位置する温泉です。渋温泉へのアクセスは車または新幹線、電車、バスの乗り継ぎが必要です。
列車でお越しの際は、新幹線で「長野駅」まで行き、長野電鉄「湯田中行き」で終点下車、「上林行き」のバスに乗り換え「渋温泉入り口」または「渋温泉和合橋停留所」にて下車してください。
乗り継ぎが大変なので長野駅からはレンタカーを借りるのも良いでしょう。
長野・渋温泉の特徴
渋温泉はおよそ1300年前、有名な僧侶「行基」が発見したと言われている古い歴史のある温泉です。35軒の旅館と9つの外湯があり、合計37本もの源泉を持つ多彩な温泉街です。
渋温泉の湯は渋で暮らす人々の生活には欠かせない重要な役割を果たしています。山奥で雪の多い渋ではこの温泉を利用して給湯や暖房、道路に積もった雪を溶かすなど様々なところに有効活用しています。
「天然資源と共存するエコな生活」は渋温泉最大の特徴と言えるでしょう。
木造の家屋など趣ある昔ながらの建物が残る
開湯から1300年もの歴史を持ち、古くから残る木造建築の街並みが人気の1つです。「千と千尋の神隠し」のモデルになったと言われている旅館「金具屋」を始め、格子窓や土壁、頭上に張り出す渡り廊下などの複雑な建築物が多数あります。
細い路地が多く、車の通りがほとんどないため、現代的な部分は一切感じません。江戸時代にタイムスリップしたかのような情緒溢れる木造建築の街並みを浴衣で散策するのも楽しいでしょう。
石畳が続くレトロな街並み
渋温泉は石畳が敷き詰められた風情ある温泉街です。下駄の鳴る音と温泉が湧き出る音が日頃の疲れを癒してくれます。
緩やかな石畳の坂が続く通りには食事処やお土産処がたくさんあります。中でも名物の温泉まんじゅうは1つ1つ丁寧に手作りし、出来たてを提供しています。
宿でのんびりするのも良いですが、レトロな街並みを散策しながら食べ歩きなんていうのも温泉街ならではの楽しみ方です。散策に疲れたら「のふとまる」「休足処信玄」で足湯に浸かり、ひと休みするのも良いでしょう。
泉質の異なる9つの温泉がある
渋温泉には地元の人々も利用している共同浴場が9つあります。渋温泉の魅力の1つでもあり、それぞれに違った泉質を持っているのが特徴的です。
場所によって少しずつ湯ざわりや湯の色、効能が異なっています。湯量と泉質が自慢で、9つすべてが100%源泉掛け流しの贅沢な温泉です。
長野・渋温泉の宿泊者は無料で9つの湯巡りができる
9つの外湯巡りは、渋温泉に宿泊される方のみ無料で利用することが出来ます。外湯の鍵はすべてオートロックで、鍵は宿泊する宿で借りることが出来ます。
また、各宿で祈願手ぬぐいが販売されており、スタンプを押しながら巡るのも観光客に人気です。
宿泊以外のお客様も9番湯の渋大湯のみ500円で利用出来ますが、残り8つの湯は渋温泉に宿泊する人だけの特権になります。スタンプのコンプリートを目指しながら、自分好みの湯ざわりや泉質を探してみて下さい。
渋温泉名物「厄除巡浴九湯めぐり」温泉の種類と効能
9つの外湯は、初湯、笹の湯、綿の湯、竹の湯、松の湯、目洗いの湯、七操の湯、神明滝の湯、渋大湯からなります。9つすべての外湯を巡ると、九(苦)労を流し、厄除け、安産育児、不老長寿に御利益があると言われています。
最後に九番湯の向かいにある薬師如来を祀る「渋高薬師」にお詣りすれば、満願が成就すると言われています。1つの温泉で様々な泉質と効能が楽しめるのが魅力的です。
厄除巡浴九湯めぐりの基本情報
九湯巡りが出来るのは、朝6時~夜22時までです。入り口の青い旗が目印で、中はシャワーや洗い場などはなく、小さな脱衣所と浴槽のみになります。
シャンプーやボディーソープなども一切備え付けられていないので、宿で体を洗ってから行きましょう。
また、一番湯から八番湯までは備え付けのロッカーがないので、荷物は宿泊先において、必要最低限の鍵とタオルだけを持って出かけましょう。
長野渋温泉にある老舗旅館「金具屋」の見どころや特徴
風情のあるレトロな街並みの中で一際目を引くのが、約260年の歴史を持つ老舗の旅館「歴史の宿 金具屋」です。圧倒的な佇まいが観光客の心を鷲掴みにし見るもの全てを魅了しています。
「金具屋」最大の特徴は独特なおもてなしです。現代の旅館のような誰もが快適にくつろげる空間を提供するのではなく、昭和初期の頃を体感出来る空間を提供する宿として多くの観光客に人気があります。
現代では不便に感じるところもありますが、日本の古き良き時代の生活が垣間見える宿です。
ジブリ映画の舞台のモデルにもなったという話がある
渋温泉、金具屋を訪れる観光客のお目当てといえば、聖地巡礼です。誰もが知るジブリ映画「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋のモデルになったと言われている旅館です。
古い歴史を持つ老舗の旅館ですが、このジブリ映画をきっかけに、瞬く間に有名になりました。ライトアップされた姿はとても幻想的で、ジブリ映画の世界に迷い込んでしまったかのようです。
国の登録有形文化財に指定されている
金具屋の「大広間」と宿泊棟の「斎月楼」は、2003年7月1日に国の登録有形文化財に指定されています。
廊下が外の景色が見えるように作られていることや古い建築材料を用いて新しい建物の飾りに使うということは、当時では斬新な発想であったと言われています。それまでのしきたりや伝統にとらわれない奇抜な造りが特徴の建物です。
昭和25年の建築基準法により、木造4階建の新規建設は禁止されています。そのため今では、木造4階建ての建築物そのものが貴重になっています。
昭和11年に完成した「斉月楼」
昭和11年に建築された「斉月楼」は今も変わらず当時のままの姿を残しています。国の登録有形文化財に泊まれるのは貴重という理由もあり、金具屋の中でも一番人気の建物です。
金具屋には全部で29の部屋があり、斉月楼はそのうちのわずか6部屋で、予約を取るのも少し困難です。外から見る斎月楼は観光客に人気の撮影スポットでもあります。
泉質の異なる3つの大浴場は源泉かけ流し
「金具屋」の大浴場は「浪漫風呂」「鎌倉風呂」「龍瑞露天風呂」の3つです。この3つの大浴場は全て泉質が異なり、それぞれに特徴があります。
中でも昭和25年に造られた金具屋で最も古い源泉を持つ「浪漫風呂」は、鉄を多く含んでいるため、ほのかに鉄の匂いがするのが特徴です。
これらは全て源泉掛け流しで、シャワーから出るお湯までもが温泉という贅沢なお風呂が楽しめます。
長野・渋温泉「金具屋」で参加したいツアー
金具屋では宿泊者を対象に、館内の文化財を巡りながら紹介するツアーと金具屋で所有している4つの自家専用源泉を見学出来るツアーを無料で開催しています。どちらも館主さんが自ら案内してくれます。
ツアーに参加すれば金具屋の歴史や魅力をより一層知ることが出来るので、温泉好きの方には是非一度参加してほしいツアーです。どちらも金具屋に宿泊した人限定の貴重なツアーです。ご希望の方はチェックインの際にお申し込み下さい。
毎日行われる「金具屋文化財巡り」
「金具屋文化財巡り」は毎日夕方17時半から宿泊者を対象に開催しています。所要時間は35分ほどで、登録有形文化財の1つでもある8階の大広間で行われます。
宿泊者の半数以上の人がこのツアー参加している人気のツアーです。館内を巡りながら、斉月楼と大広間について丁寧に説明してもらえる機会は滅多にありませんので是非参加してみてください。
ツアーの始まりは「金具屋の歴史」から
まずはじめに、次期館主さんから金具屋の屋号や建てられた経緯など金具屋の歴史についての説明があります。
その後、斉月楼が建設された当時の技術について写真を用いながら細かく説明してくれます。建築された当時は木造4階建ての建物は大変驚かれたと言われています。
金具屋のレトロで趣のある建物をくまなく見学
金具屋の館内にはいたるところに職人の遊び心や工夫が散りばめられています。大広間を出た先にある階段の窓にも訪れる人を楽しませてくれる工夫がされています。
ツアーでは館内をぐるっと一周しながら旅館の歴史や見どころを紹介してくれます。レトロで趣のある館内をくまなく見学することが出来るので参加する価値は十分にあります。
間欠泉も楽しめると話題の「源泉見学ツアー」
間欠泉とは、一定の時間において周期的に湯を噴き上げる温泉の事を言います。人間の手を加えずに定期的に温泉が湧き出る源泉は全国的にもそう多くはありません。
金具屋では4つの自家専用源泉の他に、5つの共同引湯の権利を所有しています。金具屋ではこの源泉を見学出来るツアーを宿泊者限定で、毎朝8時半から開催しています。
見学できる自家源泉は全部で4カ所
源泉は通常、厳重に管理されているため、一般の宿泊者が見学出来る機会はほとんどありません。しかし金具屋では、自家専用源泉を使用しているため、旅館のご厚意で宿泊者限定に公開されています。
見学出来る自家専用源泉は全部で4つあり、地層によって含まれる成分が違うため源泉によって泉質も異なっています。
1人ずつ奥にある源泉を見学
源泉見学ツアーでは、4つの自家専用源泉の1つで、大浴場「浪漫風呂」に使用されている源泉を間近で見学することが出来ます。
中は細長い空間になっているので一人ずつしか見学出来ませんが、地下3mから自噴している温泉の蒸気を岩の隙間から体感出来ます。この源泉は間欠泉で、源泉を見学出来ること自体が貴重ですが、その中でもさらに貴重な源泉です。
湧出温度は98度もある!
旅館から約450mほど離れた場所にある源泉は98度近くあり、湯気でも火傷してしまうほどの熱さです。この源泉は沸騰しながら湧き出ており、備え付けられた専用のパイプを通って旅館へと運ばれていきます。
この間に98度ほどあった源泉は70度近くまで下がり、湯船に着く頃にはちょうど良い温泉に適した温度になります。
ツアー参加者にお土産の「美肌の湯の素」
源泉見学ツアーの参加者にはお土産として天然の「美肌の湯の素」が配られます。カルシウムやナトリウムを含む化合物で、自宅でも金具屋の温泉気分を味わうことが出来ます。
長野・渋温泉「金具屋」の基本情報
全29部屋の小さな旅館です。チェックインは15時~、チェックアウトは10時です。駐車場は旅館から離れた場所にあるので、フロントの方が移動してくれます。
館内には温泉街保存の目的により、売店、自動販売機、レストランなどは一切ありませんので必要な場合は温泉街へお出かけ下さい。
また、昔の建物を使用しているため、エレベーターなどはなく、移動は全て階段になります。車椅子の方は利用出来ませんのでご注意ください。
住所 | 長野県下高井郡山ノ内町平穏2202 |
電話番号 | 0269-33-3131 |
長野・渋温泉に行ったら立ち寄りたい観光スポット
渋温泉はジブリ映画のモデルにもなったと言われている金具屋をはじめとする木造建築やレトロな街並みが人気の観光地です。
そんな渋温泉の周辺には、自然を身近に体感できるスポットが集まっています。渋温泉にお越しの際は是非立ち寄ってみて下さい。
お猿が温泉に入っている姿が見れる「地獄谷野猿公苑」
地獄谷野猿公苑は一年を通して、地獄谷温泉のお湯に浸かる猿を間近で観察する事が出来る人気の観光スポットです。大人は800円で入場出来ます。
野猿公苑で見られる猿は名前の通り、全て野生のニホンザルです。ニホンザルは世界で唯一温泉に入る猿と言われています。時折見せる愛くるしいニホンザルの姿をじっくりとご覧いただけます。
住所 | 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏6845 |
電話番号 | 0269-33-4379 |
雲海を眺めながら焼き立てパンを味わう「志賀高原」
志賀高原はリフトやバスを使って山頂まで行ける手軽さが人気の観光地です。眺望のよい山としても知られているその山に、日本一高いところにあるパン屋さんがあります。
「雲の上のパン屋さん」の愛称で親しまれている「横手山頂ヒュッテ」では高地にも対応出来るドイツ製の釜を使用して焼きたてのパンを提供しています。
山頂からは天気が良ければ富士山や日本海が見渡せます。また、雲が発生しやすい場所で、運が良ければ雲海を見ることもできます。絶景を目の前に焼きたてのパンを頬張るのも良いでしょう。
住所 | 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏7149-17 |
電話番号 | 0269-34-2430 |
長野の渋温泉でしか味わえない風情やお湯を堪能しよう
長野県に位置する渋温泉は、100%源泉掛け流しのお湯と趣のある街並みが人気の観光地です。ジブリのモデルにもなったと言われる老舗旅館「金具屋」には見どころが満載です。
旅館でゆっくりするのも良いですが、9つの外湯巡りもおすすめです。浴衣に着替えてレトロな街並みを散策してみましょう。